まさかの鬼!?
そんなこんなで美味しくオムライスをいただいているんだけど。
「はい。」
「なにこれ?」
「もやし炒め」
「桜が頼んだのはハンバーグだよね!?」
「ソースは一緒だよ」
「むしろソースしか一緒じゃないやん!」
「味音痴からしたら味が一緒なら一緒でしょ」
「全然違うんやけど!?タンパク質とかもないし」
「栄養取った所でそんな貧相な胸にしか……ふっ」
「つぶす!」
隣がすっごくうるさいです。
豊美さんは桜を宥めようとしているし、灯はいつも通りおどおどしている。
そして俺は我関せずとオムライスを頬張る。うまうま。
「は、なにこいつ!?熊でも失神するスタンガン当てるのに何でそんな元気なの!?」
「クマさんはそんなんで負けへんわ!せいぜい小熊までちゃうか!」
「実際にやった事あるみたいな言い方じゃん」
「あるからな!あのかったい皮膚はそんなちんけなおもちゃじゃ意味ないわ!」
「なるほどね。硬い胸のお前には効かないってことね」
「ころす!」
「きゃーーりゅー君助けてー!」
「なっ!?竜ちゃんに頼るのは違うやん!」
なんか呼ばれた気がするけど、あと少しで食べ終わるので無視しよう。
具のお肉やお野菜が程よい大きさで美味である。
「いい加減にしなさい桜。他の方のご迷惑になってるでしょ」
「いずみん……みんな怖がっちゃってるよ」
「豊美にウチの悔しさは分からんやん!」
「私は悪くない。悪いのはりゅー君」
「何でおれ!?」
口に付いたケチャップをティッシュで拭っていると唐突に巻き込まれた。
あ、待ってね。お水飲む。
「ぷはぁ。んで何で俺なんだよ」
「今日は全部りゅー君が悪い気がする」
「無茶苦茶言われてる……」
俺が一体何をしたって言うんだよ。
むしろ全部巻き込まれてこんな状況だというのに。
「学年長さん達、うちのいずみんがごめんねー。はい、ハンバーグとお魚定食」
他の家庭科部の人たちが今度こそはまともな食事を提供してくれる。
桜のハンバーグはもやし炒め。豊美さんの魚定食は白米に1匹煮干しが乗っているのだったんだな。
俺の幼馴染は鬼なのか?
「二股さんは、これ食べてて下さい」
2人に同情してたら何故か俺の所に2人の嫌がらせ飯が置かれたのだが。え、これ俺が食べないとダメなの?もうさっきオムライス食べたばっかりなんだけど。
「女の敵さんは彼女がケチャップをかけてくれたオムライスは食べるのに、嫁が作ってくれたご飯は食べないんですか?」
「……いやまず泉が作ったオムライスですし嫁じゃ」
「はい?」
「いえ何もないです。ごめんなさい頂きます」
「ですよね。ではごゆっくりどうぞ」
……苦しくて泣きそう。




