まさかの調べ!?
「では竜に質問です。なぜ、あなたはコンテストで優勝しないといけないと思いますか?」
「知りません」
「少しぐらい考えてくださいよ……」
俺の即答に呆れてため息をつく。
仕方ないじゃん知らないし、ゴミが悪いのは分かってんだよ。
よぉし、殺すか。
「そんな端的な考えはやめてください。てか出来ないでしょ」
「あ、はい。すいませんでした」
なんで心読むのはできるんだよ。
「まぁ仕方ありません。とりあえず我々で集めた情報を共有しましょう。まずは知っていると思いますが、現在灯さんに告白して困らせている者は現在三年学年生徒会生徒会長の弟です。彼は成績は確かに優秀ですが、他生徒を見下している様子が多く先生方からも少し危険視されてしまっている存在のようです」
「それじゃあ次は僕から。学年のみんなに色々と聞いてみたんだけど、やっぱりクラスとかで結構浮いちゃってるんだって。それで、運動神経は良くも悪くもないって感じらしいのだけど、学力に関しては2位ってのもあって自信あるらしいんだ。けどやっぱり2位なんだよね。最初はずっと灯ちゃんを敵視してたらしいくて、でも勝てずに負け続けてる内にこの俺にふさわしいのは飯田灯だけだ、ってなったんじゃないかな」
「桜が聞いた話だと放課後とかに図書室にいたりとか、生徒会室の周りや校門付近に何をしているか分からないけど、よく居るらしいよ。運動部のみんながそう言ってた。てか桜も見た。まぁ聞くまで全然気付かなかったんだけど。それでねこの前直接話しかけたんだ。そしたら走って逃げられちゃった。まぁすぐ捕まえたけど。足おっそいね。そしたらなんかてきじょしさつ?知識は勝て?糧?とか変な言葉言い出して、めんどくさくなって部会の邪魔だったし学校の外に投げ捨てた。うるさかった」
「あいつ、あかりんに告白した後にりゅー君の事を調べだしてて、確かに悪くはない成績だが俺に負けているくせに飯田灯と付き合える訳がない。やっぱり俺の方が相応しいに決まっているな、とか言ってる気持悪い学力コンプだったよ。キモイね早く死んでほしいね。あと一応、あかりんとりゅー君の関係性が分かるような情報は知れないようにはしてたから、そこはバレてないから安心して。バカだから隠されてるのも気付かなかったよ。知識だけに脳ミソ使ってて、周りが見えてなくて愚かだよね。」
……相変わらずこいつらと仲良くしてて良かったと思える。
隣に座っている灯を見ると驚いた顔をして固まっている。
うん、なんで当事者2人が何も知らないままそこまで調べてるの?
いや、でも言いたいことは分かった。ただベストカップルコンテストに出たところで勝てなきゃ納得して、灯の事を諦めないのだろう。
正直言って勝てても諦めなさそうだけど。




