まさかの登校!?
「おはよー竜、灯ちゃん」
2人で並んで登校していると後ろから呼ばれた。
……なんだ智也か。いけ好かない爽やかイケメンな面してやがる。
「……はよ」
「お、おはよう……ござい、ます」
「うん、おはようございます!今日も2人で登校しててなかよしだね!」
チラッと後ろにいるであろう泉を見ながら言う。
「知ってんだろ、これも今日で終わりなんだから」
「えーざんねん。でも今日のコンテストで勝たないと駄目なんでしょ?」
「いや、別に優勝しなくてもいいとは思うんだけど……」
目標としてはあの生徒会長の弟……長いな。名前知らんし適当にゴミと呼ぼう。ゴミが灯を諦めさせたら良いだけだから、わざわざ優勝を目指す必要はないと思うのだが。ある程度仲良くしているのを見せつければいいんじゃないか?
「それは私が説明しましょう」
「やっほー、おはよう竜ちゃん」
「うおっ、びっくりした。急に出てこないで」
考え事を狙ったかのように出てくる豊美さんと桜。
「いや、説明って……」
「ねぇ!みんなが一緒になったら私が離れている意味なくなっちゃうじゃん!」
困惑する俺に横に泉が割り込む。
余計に困惑させる状況にさせないでほしい。
「あはは、一年学年生徒会全員集合だね竜」
嬉しそうに笑う智也。
こいつはいつでも能天気で羨ましいな。
「時間も余裕ありますし、一度生徒会室に向かいましょうか。今日のことで色々とお話したいこともありますし。ですよね竜」
智也とはまた別の意味で楽しそうに笑う豊美さん。
絶対に腹黒い事を考えてそうだな。
「竜ちゃん!祭りだよまつり!一緒に回る?……あ、でもそっか。んー、じゃあコンテスト後にしよ!」
いつも通り馬鹿みたいに元気な桜。
そんな楽しいものじゃないと思うけどな。
「ねぇ!りゅー君にまとわり付かないでもらえるかな!」
そんな桜と喧嘩を始める泉。
えーん、こいつらめんどくさいよぉ。
「りゅ、竜くん。今日は頑張りましょ……。頑張ろう、ね」
小さく拳を握りながら、やる気を見せる灯。
そうだな。とりあえずこのカオスな状況を解消する為に出来る限り頑張ろう。
そんなこんなで全員で生徒会室に集まり、今日の学年生徒会としての動きや、一年生のクラス毎の最終状況等の確認をした。
朝から忙しくなるようで少しめんどくさくて逃げ出したいが。
「さて、今日我々のメインイベントである竜と飯田さん……いえ、灯さんによるカップルコンテストのお話に移りましょうか」
やっぱり逃がしてはくれないですよね。




