まさかの文化祭会議!?
「文化祭です!」
久しぶりに全員揃った一年生学年生徒会室で豊美さんが声高らかに言った。
「は?」
さっきまでキョロキョロと挙動不審にしてた人が何言ってんだ?
豊美さんに対しての反応は様々で、興味なさそうに調理レシピを読んでいる泉に、何故か素振りをしている桜。わーと嬉しそうに拍手する智也と灯。
桜なりの気の使い方というか誤魔化し方なんだろうけど室内でラケット振り回すのはやめろ。あと、部活行かなくちゃと思い出してしまうから辞めろ。
「二学期の。いえ、一年間の二大イベントと言ったら体育会と文化祭ですよね!色々あって忘れかけていましたが、いやその一件は本当にご迷惑おかけしました。んんっ、話を戻しまして文化祭がもう目前まで迫っています。あ、桜ははやく座って危ない」
感情豊かで忙しい人だなこの人。
「体育会みたいにまた何かしなくちゃなの?」
小さく手を上げながら俺は質問する。
「いえ、我々は大した仕事や企画はありません。二年生になると生徒たちによる出店や企画の確認。三年生では学校内で行う一大イベントの企画。などがありますが我々一年生にはあまり関係ないですね。設備もそれぞれのクラス、部活が行いますし」
「だったら、別に会議することなくない?……あ、りゅー君今日のご飯これとかどう?」
レシピ本から少し顔を上げた泉が無気力そうにそう言う。
なんか、いつにも増して豊美さんに対する態度が冷たくなってないか?気のせいかも知れないが桜に対する扱いと似てきたというか……。
「そうですね。確かに何か話し合いが必要な訳でもありませんが。我々には少しばかりまだまだ溝があると思っています。なのでせっかくなのでこの文化祭を期にこの溝を埋めようではありませんか!」
この前に灯が言ってたことだな。確かに灯だけではなくて泉とかもみんなと距離を取ってるし、智也だってコミュニケーションは問題ないがどこか一歩後ろにいるような立ち振る舞いだ。俺もあんまり意識したことはないが距離を取っているのかもしれないしな。
「でも、どうするの?何か出し物をしたりするわけじゃないんでしょ?」
今度は智也が豊美さんに質問する。
「はい。しかし、小さな出し物ならしてもいいと先生方から許可はいただいております。火気は使用できませんし、展示といってもこの部屋しか使えませんが……」
ここは教室の半分くらいの広さしかない。もちろん六人で使うには十分すぎる広さだが何かするには少し狭い。棚とか机とかもあるしな。それに展示といっても何をする?という話にもなる。わざわざ生徒会として動くのだ、適当なことをする訳にはいかないしな。
「あ、あの。いずみんとわたしは、部活のほう、が」
「あ、僕も部活でのお手伝いがある。まぁ僕のほうは展示だけだから当日なら動けると思うけど」
あぁそうだ。忘れていたが文化祭なのだから文化部は何かしら部活として動く事となる。と、動ける人数も限られてくるということだ。ますます難しくないか?
「な、なるほど。では出し物は難しいですね。では!では……それではどうしましょう…………」
豊美さんが机に手を付いて黙ってしまった。
「別に無理に文化祭で仲良くなろうとしなくてもいいんじゃない?」
桜が恥ずかしそうに腕を組み目線を下げながらそういう。見た目もあいまって完全にツンデレさんだな。
「どういうこと?」
「豊美がしてるのは逆効果ってこと。無理に仲良くなろうとしなくてもいいじゃん。文化祭は各自自由に動いて、何か皆でできる時にしたらいいじゃん。ほら、文化祭が終わったら冬休みにクリスマス、お正月ってあるし。何なら今は桜も大会近くて忙しいし。ねっ?ほんまは竜ちゃんと豊美だけでよかったんやけど、しゃーなし泉も来たらええし。もちろん砂が……智也君に灯ちゃん?灯?も」
おぉ、ツンデレってる。桜は見た目は低身長つり目とツンデレ要素多彩な割りに中身はツンデレじゃあないなと思ったらツンデレってくれてる。いいじゃん。
どういう心変わりか分からないけど皆の呼び方もぎこちなくても変えようとしてるし。
「は?りゅー君はもとからクリスマスも正月も私と二人一緒にいる予定なんだけど?あと、泉って呼ぶな」
「いや、そんな予定ないから。森川さん」
「りゅー君!?」
勝手に俺のクリスマスの予定をお前が決めるな。幼馴染に捕まって悲しいクリスマスを過ごすのではなく頑張って彼女作って過ごしたいです!切実に。
そんな悲しそうな目で見ても駄目。
「まぁ、でも何も予定なかったら皆で過ごすのも俺はありだな」
泉からも逃げれるし。
「でしょ?さすが竜ちゃん」
その言葉を聞き、桜は嬉しそうに豊美さんに笑顔を向けると豊美さんは力が抜けたように笑う。
「そうですね、急ぎすぎたようです。私もまだまだ未熟ですね。では、文化祭は各自自由行動としましょう。何かありましたらまた連絡等よろしくお願いします。本日はこれで解散としましょう。では、お疲れ様でした。さようなら」




