まさかの天才!?
俺は部室に着くと、着替えて外に出る
「おーい、一上。来るの遅せーぞ」
「す、すいません。学年生徒会で遅れました」
「そう言えばそうだったな。羨ましい、いやむしろ妬ましい」
すると頭をグリグリし出した。
「痛いですって先輩」
「はっはは!」
この人懐っこい先輩は男子ソフトテニス部の部長だ。
名前?そんなもの覚えていない
「それより、ほっれ。ボール拾い、ボール拾い」
「へーい」
部活の中でも一番嫌いな物はボール拾いだ。嫌だな~
「ほっれ、やる気を出す!」
「うっす」
先輩に背中を叩かれボール拾いを始める。
「そういえば板橋さんって。あっ、いた!」
ボール拾いをしながら女子の方を見ると、先輩と混じって試合をしている。しかも互角だ。
「すっげー」
これは感心するしかない
「おい、一上手が止まってるぞ」
「あっ、すいません」
俺はボール拾いを続ける。
しかし、板橋さんってテニス上手いんだな。さっきの試合は互角っていうか、少し勝ってた気もするし。
「きゃー!桜ちゃん、先輩に勝っちゃった」
マジで!俺は急いで横を向くとしょんぼりしている先輩の姿が。
マジか・・・・・・凄いな。また今度教えて貰うか。
板橋さんは水筒の水を飲んでいる
さて、ボール拾いの続きをするか
俺はボール拾いをしながらたまに女子の方を見る
「きゃー!凄~い!」
そして数分また聞こえて来る女子達の声。
俺は見てみると・・・・・・
「え?」
板橋さんは女子テニスの部長と試合をしていた。少し負けているがほぼ互角だ。
しかも、女子テニスの部長は俺たちの部長と同じくらい強い。それに互角って・・・。
「おい、どうした?」
また部長に注意されてしまった。でも・・・
「あれが凄くて」
俺は板橋さんに指を指して部長に言う
「あぁ、桜の事か。確かに凄いな、副部長でもあいつには勝てんだろ」
そこまでとは・・・
「凄いですね・・・」
「うん。まぁ今はボール拾いを頑張れ」
「うっす」
そのまま、ボール拾いをして二時間が過ぎ、腰が痛くなって来た頃。
「おーい、女子も男子も十五分休憩しろー!」
梅田先生が来て皆に休憩を命じる。
「「「「「「「はい!」」」」」」」
俺はコート近くに有るベンチに座り一息付く
「ねぇ、一上君だったけ?」
急に板橋さんに話し掛けられた。
「う、うんそうだけど」
何だろう?凄い威圧感
「ちょっと話して良い?」
「もちろんです」
襠田さんといい、同い年なのにこの威圧感。ヤバいな。
 




