まさかの恐ろしい子!?
てな訳でやってきたのはやってきたのは定番ショッピングモール!
もう遊ぶ場所に困ったらここだよね。映画もあるしゲームセンターに服屋、飲食店、喫茶店、本屋。何でも揃ってて無駄な考えをしなくてすむ!王道中の王道。自分で場所を考えているフリして相手に行きたい場所を決めさせれるから楽も楽。みんなも困った時はオススメだよ!
「竜ちゃん、急に立ち止まってどこ見てるの?」
「気にすんな。んで、どーする?どっか行きたいところあるか?」
俺はさりげなく桜の希望を聞き出す。
これも数多のラブコメを見てきた俺には容易いことなのだ。
「どこでもいいよ。竜ちゃんの行きたいところは?」
「あ、いやお、俺か?そうだな。本屋とか?」
「そっか、じゃあまずは本屋さんに行こっ」
そう言うと桜はマップを見て本屋さんの場所を確認する。
「三階だって、行こ」
「……おう」
まぁ、まだ前半だ。なんだったら着いたばかりなのだ。時間はまだまだある。なんか初手から失敗した気もするが気のせいだろう。なんだって俺は恋愛マスターだからな。女の子を元気付けることくらい出来て当然なのだ。
「竜ちゃーん。いくよー」
「あ、おう」
先にエスカレーターに乗っていた桜を小走で追いかける。
本屋に着いた俺たちはひとまず店を一周だけし、後にした。
「よかったね竜ちゃん」
「おう。最近発売日程見てなかったから、まさか売ってるとは思ってなかったわ。かみ」
俺は欲しかった本を胸で抱きしめながら歩いていると桜に優しい目で見つめられた。
いやぁ、いい子だね桜って。自分は興味ないことなのに、話の内容とか楽しそうに聞いててくれるし、付いてきてくれるし。
「次はどこ行きたい?」
「そーだなー。ゲームの新作もみたいし……。じゃなくて!ほ、ほら桜はどこ行きたいんだ?」
あぶねぇ、このままじゃあ来た意味がなくなってしまう。桜を楽しませようと思ってきたのに、俺が楽しんでてどうするんだ。桜……恐ろしい子!
桜は、足を止めて考えるように両手の人差し指をこめかみに押し付け、唸っている。
ホントにそうやって考えてる奴いるの?考えているフリなだけじゃね?あ、相手は桜かじゃあ仕方ない。
「あ、じゃあそうだ!お願いしたいことあるんだけどいい?」
思い付いたのか、こんどは手のひらを拳で叩く。でも、普通は縦にして叩かない?そんな拳の正面で叩くか?今から喧嘩を始めますって言われても違和感ないぞ?その場合は我が死ぬけどな。やぱり恐ろしい子!
「お、おぉう。い、いいぞ。どんとこい。あ、やっぱり来ないで優しくして……」
「頭かくしてどうしたの?まぁいいや。竜ちゃんに服をみてほしんだけどどうかな?」
あれ、喧嘩じゃないの?あ、馬鹿だから間違えただけか。……いや、本当に馬鹿じゃん。




