まさかの共感!?
思いがけない方法で豊美の家に入る事が出来た。
もし入る前から、追い帰らされたらどうにか塀をよじ登ってでも進入してやろうと思ったのだが。
しかし
「なんやこれ……」
豊美の姉と名乗る人物に連れられた部屋には壁に何枚もの豊美の写真が貼ってあった。
「うむ!これはすべて僕が撮った特別な豊美の写真だ!どれ、気になる物でもあったか?まぁ、絶対にあげないがな!僕だけの宝だからな!」
お父さんが試合での活躍を自慢している時と同じ顔で笑う。
自分で自慢しておきながら、桜の事を忘れたように魅入っている姿をみると、あぁ、この人も夢中になれるものがある人なんだなっと、共感するのだが。
それが、自分の妹の写真だと思うと軽く引く。いや、結構引く。
「あ、あの……」
「む、失礼した。お客人の前だったな。ん!そういえば君は豊美の友達だったな!もしや、僕が持っていない豊美の写真があるのか!?うむ!もしそうならば見せてくれんか!ただでとは言わん。もし、僕が気に入る写真があったら、君にも僕のオススメの写真を譲渡しよう!うむ、そうと決まれば早速僕の豊美アルバムを持ってこようとしよう!しばし、待ってはもらえるだろうか」
桜の話をまったく聞かずに部屋から飛び出していってしまった。
我に返って戻ってきてもらおうと思ったが、部屋から出ても彼女の姿は見えなくなっていた。
この広い家を探すにも時間がかかってしまうと思い、大人しく部屋に戻った。
しばらくは待つだろうと思い、壁に貼ってある写真を見渡す。
寝ている豊美や、動物と触れ合っている豊美。
学校では見たことのない表情の豊美だらけだ。こう見ると年相応の子供らしさが伺える。
……しかし、ほとんどの写真がカメラ目線じゃないんだが、盗撮とかじゃないよね?
豊美に対しての安堵とともに姉に対する恐怖心が出てくる。
でも、やっぱりこの笑顔の豊美が素顔なんだろうと思うとやはり、あの母親に対する怒りを覚えてくる。
「すまぬ!またせたな。では早速」
「あの!桜はあなたのそれと襠田豊美さんのお母さんに会いに来たんです」
そう言うと、さっきまでの楽しそうな表情が消え、桜に棘を見せる。
「ふむ、そうなのか。しかし、何様で僕たちの母に会いたいのだ?」
子供とは思えないほどの威圧がある。
しかし、気圧されることなく桜もこれまでにあった事を話した。
話していくうちに、警戒心も無くなったのか、威圧がなくなりまた優しそうな姉の顔になった。
「ふむ。それはそれは。わかった豊美のためと聞いたら僕も放ってはおけんな。微力だが力を貸そう。母はこっちだ着いてきたまえ」




