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まさかの俺がモテ期!?  作者: 笑恋 戦


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まさかの猛獣!?

「残念だね、板橋さん。君はもう僕に勝てないよ。今の限界はそれなのだろう?なら、もう諦めたほうがいい」

そう、走っている桜に話しかけたのは、桜に余裕顔で着いてきている陸上部部長だ。

「誰か知らないけど黙って。竜ちゃんと勝つって約束したんだから」

「その、竜ってやつは馬鹿だね。僕は残り一周、君は残り二周。ここからどうやって勝つと言うんだね?」

「うるさいなー。そんなんの決まってんじゃん!あなたの一周より早く二周走るだけだよ」

そういって今まで以上のスピードで走り去っていった。

「いやー、本当に早いね。短距離なら僕のぼろ負けだろうけど、これはチームプレイの長距離走だよ。その全力いつまで続くかな。怒りに身を任せて無秩序に走って勝てる訳ないよ」

そう、走り去る桜の背中を見つめながら、笑う。

う、うわー。あの、確信しているときのあいつの顔う、うぜー。

あんな奴は、絶対負けるな。むしろゴール近くでこけて、最下位まで落ちろナルシストが。

ナルシストは生徒会長のような王者気取りよ、中二みたいな我最強なりみたいなキャラよりある意味害悪だからな。

そんなキャラいつまでも続けてたら友達減るぞ。

「ちなみに、あの先輩。部活内で勝てないから誰からも何も言われてないらしいけど、結構避けられてるらしいよ」

と、言ってきたのは智也何だが……。お前、マジでいろんな人の情報持ってるよな。この学校で知らない人とか居ないんじゃないの?

あー、たまにあるわ。他クラスで面識もないはずなのに、俺の名前知ってるやつ。

いや、お前見たこともないのになんで髪を切ったら『あ、一上髪切ったんだ。さっぱりしたな』とかなれなれしいんだよ。せめて君かさんをつけろよ。

「竜、聞いていますか?」

「え、なに?」

「はぁ、しっかり今の競技に集中してください」

豊美さんはそう言いながら、ある方向に指を指す。

「ん?」

豊美さんの指先を追うようにして見てみると、桜がいた。

うん。桜が居るのだが……。

「え!?もう一周終わったのか!?」

「はい。あの方に煽られて走り出してから、一時もスピードを落とすことなく、走り続けて……」

いや、落とすどころか、さらに上げてきている気がするんだが。

「な、なに!?人間が長時間全力疾走できるわけなにだろう」

「そーだね。桜も全力で長時間走るのは無理だよー。でも、これが桜にとって全力じゃないとしたら?」

「なっ、そんな……。人間がそんなに早く走れるわけない」

「でもね、残念だったね。桜は出来ちゃうんだよねー。だって、最強だからねっ!」

そして、桜は瞬く間にもう一周して、見事一位でゴールを飾った。

桜に抜かされぬまいと、猛獣から必死に逃げるような表情で走った、陸上部部長は、周りからクスクスと笑われていた。

でも、たしかに俺があの位置にいたなら相当怖かっただろーな。

「ふんっ、せっかく全力は出さないであげようとしたのに。桜を怒らしたのが悪いんだよ!」

まぁ、見事な勝利を飾った桜は少し不機嫌そうだったけど。

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