まさかの第二走者!?
距離が短かったからか、それとも豊美さんが早かったからか……。
まぁ、何にせよ一番初めにバトンを次に渡したのは一年学年生徒会だ。
まぁ、俺はあまり走りたくないので、そこまで早くなくて良いからね?ゆっくりしていってね!
『襠田さんがバトンを渡したのをきっかけに、次々と他のグループもバトンが次に受け渡されていく!』
ほとんどのグループは1㎞で次走者にバトンが渡されていく。
紗那さんたちは、走る距離が少し長い分、まだゴールできていない。
「おい、誰かを忘れてないか?飯田!俺はお前に勝つ!お前には俺の背中を見せながら走らせてやる!」
「え、え、え?」
「おーい、生徒会長の弟。飯田さんが困ってるから、やめなさーい」
「うるさいぞ一上!これは、男の意地だ!あと、普通に名前呼べ!」
「変態としての意地ですか、そうですか。あと、お前の名前なぞ覚えてないです」
「だから俺の名前は——」
『生徒会長の弟選手、バトンが回ってきてます早く走ってください』
リレーを完全無視して、一向に走らない生徒会長の弟は大垣さんに怒られていました。
ぷっぷー。だっせなーおい。
あ、ついでに今ゴールした生徒会長も紗那さんに負けてるし。
兄弟揃ってだっせぇーな!
『俺に怒られた弟選手と、あんなに見栄を張って負けた会長選手。兄弟揃って共にダサイであります!』
「はぁはぁ、俺は悪くないからな、俺のバトンを受け取るのが遅かったあいつが、悪い」
「俺をあのクソと同じにするな!」
『あ、そうっすか。はいはい、りょうかいですぅー』
鼻をほじりながら言うな。きたねー。
あ、ほら朝崎さん達が引いて、逃げようとしてるじゃないか。
あ、なるほど!鼻をほじったら女子は引いて近づかなくなる。よし!
「なぁ、泉」
「どうしたのりゅー君?」
「いや、お前って変態だなって言いたくてな。ほじほじ」
「りゅー君の鼻くそ!」
「うおっ!おまっ、俺の指を食おうとしてんじゃねー!」
「ふしゃー、ふしゃー」
獣か!
そうだった、こいつは一般的な女性と同じにしたらダメなんだった。
こいつはあれだ。ただのキモイ変態だ。
「飯田ぁー!俺がお前を抜かしたら、一つ俺の言う事をきけー!」
「い、嫌ですっ!」
あ、あそこにも変態いるじゃん。
ふっ、ワラ。
「あかりん!自分の身を守るとき用にアレを貸してあげたんだから、使っても大丈夫だよー」
「で、でも……」
「大丈夫ですよ。全ての責任は私が消しますから」
えぇー。なにすんのか知らんが、とりあえず、豊美さんの暴論は分かった。
責任を持つじゃなくて、消すとか、おい。
「な、なら……」
飯田さんは、ポケットの中から、スタンガンを取り出しました。……はい。
それはアウトー!てか、泉から身を守る用に俺がほしいです!




