まさかの心の入れ替え!?
「で、昼が終わったらなんでリレーなの?横腹が痛くなるとか考えなかったの?」
今さら俺は午後の部のスタートがリレーと知り、今すぐに逃げようとしています。
捕まったら最後、論破されたら最後。俺は必ず勝って生き延びてやる!
「そんな事、体育祭なら仕方がないことですよ?」
「でも、もう少しゆるい競技にしてくれないと!」
「でも、りゅー君。中学の時も午後のスタートは部行進と部対抗リレーだったよ?」
「あれは、部対抗だかな!一部でよかったんだ」
「それを、言うならちらもクラス対抗で一部ですよ竜」
このままでは負けてしまう!
俺は、俺はな!動きたくないんだよ!
中学の時の無駄な働きのせいで運動が嫌いになったんだよ!
「でも、あれはリレーだけど、これはマラソンですよね?なら辛さが違う!」
「でも、竜ちゃん達が走る距離ってそこまで長くないはずだよ?半分は桜が走るはずだし」
「……一上くんは逃げたいだけですよ。走るのが嫌らしいです」
いやぁ-!ここに俺の心の中を見える人が居たんだったー!
「やはりそんな所でしたか……。竜諦めて準備しますよ」
「絶対に嫌だぁー!まだ、反論はあるんだからな!」
俺が迫りくる豊美さんに言ってやろうとした瞬間、誰かが二人、共に豊美さんの肩を抑え、前に出てきて俺に指をさしてこう言った。
「それは違うよ!」
「意義あり!」
その二人とは厨二君と大垣さんだった。
「それは違うよ!一上よ。そんな情けない姿のお前を我が半身を預ける相棒にした覚えはないぞ」
いや……相棒にされた覚えもないんだがな。
「意義あり!そしてそれは違うよ!これを言われたらもうお前の負けだよ一上君。それは君が一番わかってんだろ。さぁ、はやくマラソンの準備をしたまえ。後は君たち一年生学年生徒会だけだ」
キャラが変わってんぞ大垣さん。
まぁ、でも大垣さんの言う通りだ。その言葉を使われると反論する気にならんな。なら、諦めて行ってくるか。
「わかったよ。行けば良いんだろ?先にその言葉を使われた俺の負けだ。諦めてやるよ」
「そうか、なら我らはここで。武運を祈る」
「まっ、解説席で雄姿をしっかり見ててやるから、ダサい姿を見せんなよ。じゃあな」
俺は笑顔で行くことを答えると二人は笑って、元の自分の席に戻っていった。
「なぜ、わたしたちが言ったら聞かないのにあれは聞くのでしょうか?」
「……おそらく、アニメの……セリフだから、です」
「なるほど、馬鹿ですね」
「そうだよーりゅー君はバカだよ」
「うんうん、ばかだね」
「……はい。馬鹿です」
うっせ。




