まさかの体育祭前日!?
体育祭前日。早くも俺は死にかけていた。
は、働いた……。
馬車馬のごとく働いたよ。
もう働きたくない……。
同じ仕事をしたはずなのに、副会長の二人がまったくバテてないのは怪物だからだ。紗那さんが怪物なのは知ってたけど、まさか三年生副会長までもが怪物だとは。
桜と戦ったらいい試合……。無理だな。桜といい試合は出来ないな。どれでも。
運動は桜が圧勝するし、勉強は桜がぼろぼろになって終了。
まっ、桜なんてどうでも良いんだ。
今は早く家に帰って秋に癒されよう。
明日は休もう。もう体育祭の時なんて槍が降れば良いんだ!鉄球が降れば良いんだ!血が降れば良いんだ!酸性雨が降れば良いんだ!
明日の天気は酸性雨時々オタマジャクシです。
「竜、すいませんが手伝ってほしいことがあるんです」
「酒!飲まずにはいられないッ!」
「馬鹿ですか?死ぬんですか?死んでください」
「貧弱!貧弱ゥ!」
「桜、竜を半殺しにしたらお小遣いをあげます」
「竜ちゃん、お金のためだから、我慢してね?」
「さぁ、豊美さん。僕に何でも相談しなよ。僕が出来る事なら何でもするよ?」
「声がキモいです。てか、単純にキモいです。……はぁ。これを職員室まで運んでください」
「……運んだら?」
「……帰ってよし」
「しゃー!ありざいやーす!ではさよーなら!」
「さようなら。では皆さん、帰りましょうか」
「はい、待とうか。うん?今なんて?」
「さようなら」
「うんうん、さようなら。じゃあ次は?」
「では」
「では?」
「皆さん」
「はいはい。早く答えてね?」
「帰りましょうか」
「うん言った。手伝えや豊美さん!」
なに、仕事を全部押し付けて、自分たちだけ帰ろうとしてるの?
「はぁ、仕方ありません。手伝ってあげましょう」
「上から目線が腹立つー」
「上ですから」
「腹立つぅぅーー!」
「サボらないでください竜。もう皆さん行ってますよ?」
「ちくしょー!!」
残された荷物を持ち、先に行ったみんなの元へ走っていく。
今日も仲が良いのか悪いのか分からないが、言い合いはするものの、みんなで笑ながら、帰った。
そして、とうとう、明日は体育祭。
学校二大イベントの一つだ。
明日のために今まで頑張ってきたのだ、今までの結果を明日で見せてやる!
……でも、やっぱり運動は嫌なので雨が降ることを祈ります。
酸性雨でも良いし、オタマジャクシでも……。いや、やっぱりキモいからオタマジャクシはなしの方向でよろしく。




