まさかの逃げ作戦!?
それから、会議はさらに3日にかかり本日ようやく終った。
これでようやく授業が終わったら家に帰れると思ったら、もちろんそんな訳もなく、早速、バリケード作りをする事になった。……やだ。やだやだやだやだ!
帰りたいのです。ぼきゅは帰りたいのです!
眼鏡かけて知らない人になって帰ってやる!
そう決めて、次の日の学校に眼鏡を持っていき、STが終わると同時に眼鏡をかけて教室を出た。
「竜?どこ行くのですか?」
「ハイ?ボクハリュウナンカジャナイデスヨ?」
「は?」
「デハ、ボクハカエリマスネー。サヨーナラ」
「どうしたの?」
急いで帰ろうとしたのに泉が来てしまった。
俺だと気付かれる前に早くこの場から離れないといけない。
「いえ、竜が……」
「りゅー君?あぁ。なるほど。ちょっと待っててね」
携帯を出して、操作しだしたが気にせず早足で帰る。
「あーもしもし、秋ちゃん?」
ぴっく。
…………あ、秋?
「実は今日からね…………あ、うんうん。そうだよ。りゅー君が帰るらしいから、手伝いに……あっ良いの?ありがとー。うん、そんなに急がなくて良いよ。うん、大丈夫大丈夫。はーい」
「よしっ!頑張って、作業しよう!」
「あれ?君はりゅー君じゃないのでは?」
「眼鏡はポーイ!」
とは言いながらでも、ちゃんと眼鏡ケースに直して、技術室に向かう。
「ねっ?」
「ありがとうございます」
「うん!」
俺に着いてくる二人を見ながら技術室に向かう。
秋がやってくるー。秋が居ない家などただの家。秋がいるからこその我が家!
秋は可愛い。秋可愛い!
「竜!まずは材料を取りに行かないと駄目なんで、こっちですよ」
「あっはい」
体育会の横にある倉庫の前には飯田さんと桜が先に居た。
「……あれ、智也は?」
「砂川君は倉庫と技術室の鍵を取りに行きましたよ」
「ごめんごめん。お待たせー」
智也が鍵を開けて豊美さんがプリントを出す。
「では、これとこれとこれこれこれとー!」
「多い!多いからちょい待ち!」
「そ、そうですか……」
「プリント貸して下さい」
「はい……」
豊美さんにプリントを借りて、みんなに指示を出す。
「桜は、木材を持てる分だけ。……てか、全部よろしく。俺たちは大きい荷物を皆で持っていくぞ」
「えー!桜だけ酷いよー」
「えっ、無理なの?」
「余裕!」
「だったら、よろしく」
「うぅ、納得いかない」
気にせず、俺は皆でデカイ荷物を持っていく。
ちなみに今日は秋が来なかった。
うぅ、納得いかない。




