まさかの実力の違い!?
体育会会議はその後も、まだまだ続き、時には俺たちの心を削ってきた。
そして、会議をしていたら、いつもは馬鹿の紗那さんも、二、三年生徒会長も、全員が一年だけの差とは思えないほど、凄い能力を持っていた。
正直に言って、俺たちは邪魔でしかなかった。
その事が、俺も、豊美さんも、泉も、桜も、飯田さんも、悔しかった。
ただ、智也だけは、先輩を唸らせるほどの案を沢山だし、会議の輪にすんなり入って行った。
たまに、俺は智也の事が分からなくなる。
あいつは一体なんなんだ……!
滅茶苦茶助かった、ありがとうございます!
俺たち一年の失敗は智也が取り返し、どうにか今日の会議が終わった。
これでも、全体の3分の1しか話は進んでおらず、明日からも会議を続けるらしい。
そして、ようやく終わったら、会議結果を職員室に提出して、OKが出たら、ようやく全体での体育会準備が始まる。
そのための、プリント作りは二年生に任されるが、他の学年競技の説明、入退場の練習などは自分たちが仕切らなければいくないらしい。
聞いただけでも身体が重くなる。
帰りたい……です。
「帰りたい……です」
「豊美さん?」
「何ですかあれは!どうして、あんなに先輩方は正しい事を良い。案は素晴らしく、作業は早いのですか!?あの『ささ』って準備するのをやめて下さい!こっちが準備している時に睨まないで下さい!暖かい目で見ないで下さい!だいたい、姉さんに出来て、どうして私には出来ないんですか!意味不明です!そして、途中からは砂川君がリーダーみたいになりましたし!リーダーは私です!勝手に座を奪わないで下さい!まぁ、私が無能なのがいけなかったんですけどね…………。ハハっハハハハハ……。でもー!!」
帰り道で急に豊美さんが叫びだした!
「てか、智也は何であんなに動けたんだ?」
「んー?えっとね、相手の顔を見て、相手の思っている事ぐらいは分かってるよね?」
「ぐっ……」
智也の言葉に豊美さんが唸るが、今は気にせず、智也の言葉の続きを待つ。
「それで、だいたいの話のスピードとタイミングを読み取って、話を聞いて、それでも手は動かす」
「うぅー」
「で、準備は迅速に。で、案は今、自分がしたい事を考えていますそれに不備が無いかを考える。無ければ発表。自分が楽しいと思って無いのに、相手を楽しませる事は出来ないからね」
「……ぐはぁ!」
「最後に、あとはそれを考えて行える、見切りの早さかな?それが出来たら大丈夫だと思うよ。まぁ、友達付き合いでもこれは大切だからね」
「ぐっふっ!」
最後の言葉で豊美さんが倒れた!?




