まさかのその通り!?
「じゃあ、まずは各学年の学年競技の説明をしてもらいます。先にさせてもらうよ。手元のプリントを見てください。競技名は『馬引き』これは重い荷物を台に乗せ、早くにゴールした方の勝ちという簡単な競技です。スタートで砂袋を20、つまり10キロ運んで、半周したら、人を交替して、次の人が4つ、ニキロの袋を追加して、また半周走る。そして次の人、そして追加、これを5周くりかえしてもらう。最後の40、20キロでゴールしたら、終わり。これでいこうと思っています。一度、試してみて量の調整を考えてみますが、他に何か変えた方が良いと思う所はありますか?」
生徒会長の言葉に誰も手を上げない。
見た目は地味かもしれないが、量の調整によっては、大変になるし、他の事でも、準備は大変ではなく、やる側は大変といった様な所もあり、いいと思う。
「無いで、良いね。じゃあ、次は二年生」
生徒会長が座り、次は二年生生徒会長が立つ。
二年生も三年生と同じ様に話を進め、競技の説明を始める。
これも、難しいそうだが、競技中だけではなく、準備、時間、安全などの全ての事を考えられていた。
二年生生徒会長の話が終わったのを見ると三年生生徒会長が「次は一年生」と言った。
「はい。竜、これを配ってください」
それに豊美さんは返事をして立ち、昨日と同じようなプリントを渡し、渡す様に言った。
豊美さんからプリントを受け取り、一人一人にプリントを渡し、配り終わった事を視線でいい、それに豊美さんは頷き、今まで、決めてきた事を話し出した。
話の邪魔にならないように、静かに自分の席に戻り、豊美さんの話に耳を傾ける。
「────以上が、私たち一年生学年競技の案です。何かありますでしょうか?」
その言葉に、紗那さん、二年、三年生生徒会が手を上げた。
「先に言わしてもらうよ。まず、ゲーム内容は見ている側としては面白そうだし、準備も難しくないと思う。ただ、障害物のボールを当てる物についてだ。選手たちは騎馬を組んでいるのだろ?それをして、もし崩れたらどうするのだ?騎馬戦だから、多少の危険性は承知してある。その分は目をつぶり、危険が及ばない様に先生方にサポートしてもらう。しかし、故意的に崩しにいかせるなら、話は別だ。そんな危険な事をさせる訳にはいかないよ?」
「そ、それは……」
「うん。僕も同じだよ」
「腹立たしいが僕も同意見だ。楽しそうだが、それで怪我をしたら意味がないからな」
三人の言葉に他の人もうなずく。
まったくもってその通りのため、豊美さんも俺たちも何も言えなかった。




