まさかの言い合い!?
「何だか会うの久しぶりですね」
「そうだな。夏休みが始まって直ぐは結構遊んでたけど、終わりはあんまりだしな」
「はい」
俺の言葉に豊美さんは小さく頷く。
確かに、始めろ頃は秋とデートに行ったり、豊美さんの家に行ったり、秋の不良事件を皆で大暴れしたり、桜の買い物に着いていったり、皆で海に行ったりと、色々したからなー。
「あっ、そうだ桜」
「ん、どうしたの?」
「宿題は終わったか?」
「あっ、さきにいってるね」
あっ、これは終わってない反応だな……。
逃げ出そうとする桜を、動き出す前に捕まえる。
動揺した、桜は少し動きが鈍るから何とか腕を捕まえられた。
「わー!離して!離してよー」
「暴れるな!……ちょっ!」
何こいつ、力強すぎだろ。……知ってたけど。
「……あっれー?桜、メールでは終わったと言ってませんでした?」
「終わった!色んな意味で終わったわ!オワタや!だから、離してくれん?」
「さーくーらー?」
豊美さんが鬼の顔で桜の前に立ち、桜の両肩を掴む。
これって、俺離れちゃ駄目?豊美さんが怖いのだけど。
「ごめん、ごめんなさい!だって、忙しかったもん!補習は毎日の様にあるし、お父さんとお母さんの実家に行くときは、海のときに沢山勉強したし、えーかなー?ってほっといたら、いつの間にか、半端ない量になっててん!」
「それ、言い訳ですよね?言い訳ですよねぇ!」
「ごめんなさーい!」
俺は二人のやり取りを見ながら、そっと桜の腕を離し、泉の横に並んだ。
「な、何か姉妹みたいだな」
「そーだねー」
「俺たちのやり取りもあんな風に見えてるのかな?」
「そーだねー」
「あれ?俺の話流してない?」
「そーかなー」
「そーだよー。じゃなくて!もしもし?泉さん!」
「そーだよー」
「何がだよ!」
「そーれがー」
「どーれがー!?」
「そーだよー」
「だから、何がだよ!」
「りゅー君、うるさい」
「あっ、やっと普通に話してくれた。じゃなくて!だったら、普通に返事してよ!」
「何で?」
「逆に何でしてくれないの!?」
泉はむっと顔をしかめ、少し下を向いて言った。
「……腕」
「腕?」
「さっき、腕を組んでた」
「あ、あれね!いやいや、変な意味で組んだりしてないから!てか、何で俺は泉にこんな弁解しようとしてるの!?」
「違うのなら、良いけど」
「……さいですか」
ああ!女子ってマジで意味分からん!
「あっ、皆揃ってる。おはよー」
「お、おはよう、ございま……す」
豊美さんと桜、俺と泉で言い合っていると、飯田さんが来た。
「おはよう」
「あかりん達、おはよー」
「あっ、おはよう。助けて」
「おはようございます。余計な事はしないで下さいね?」
「あはは。仲良いね」
「…………。」
……と、朝から俺たちは騒がしいのであった。




