まさかのスイカ割り!?
「あぢぃーな」
「だね。今日も絶好の海日和だねー」
水着に着替え、サンダルを履き、玄関を出ると、すぐ横にはタライがあった。
芸能人によく使われるあのタライ。
頭に落とされるあのタライがあった。
その中には大玉のスイカ2つと水と氷が入っていた。
今はそれを智也と一人一玉ずつ運び終わった所である。
スイカを波打ち際に起き、少し海に身体を浸けながらみんなが来るのを待っている。
しばらくそうしていると、家の方から声が聞こえて来た。
みんなが一昨日と同じ水着を着用して、海に向かっている。
「お待たせしました。スイカありがとうございます」
「いや、こんなデカイスイカを用意してくれてありがとうございますの方があってる気がするけどな」
ひとまず、大き過ぎるため、一人で運んでも時間が掛かった。
見た目で言うとモンスターハ○ターの大きい物を運んでいる時の姿に似ているかもしれない。
「竜、ブルーシートを広げるの手伝ってもらえますか?」
「ああ、了解」
「あっ、僕も手伝うよ」
「手伝いますよ?」
豊美さんと二人でブルーシートを広げようとしたら、智也と秋が手伝いに来てくれた。
四人で端を持ち、広がり、置く場所が決まったら、豊美さんの持ってきた重りを置き、完了。
その真ん中に持ってきたスイカを一つ置く。
「さて、準備は出来ました。誰から割りますか?」
「はい!」
最初はみんなの表情を伺うかと思ったが、桜が元気よく手を挙げた。
「桜は、一発で一玉を粉砕しそうですが……。皆さんはそれでも大丈夫ですか?」
豊美さんの質問にみんなは小さく頷く。
いくら桜でも、このデカさのスイカを一発で割るのは難しいだろ。でも、まぁ──
「─軽く力は抜いてね?」
「うんっ!分かった」
満面の笑みで頷いてくれると、豊美さんから目隠しと棒をもらい回り出す。
「────28、29、30!」
30回の回転をやめると、ふらつく事もなく、綺麗に直立した。
「ふっふーん。桜は数回回っただけじゃ、目は回らないんだよー」
目隠しをしながらドヤ顔をする。
「桜には100回の方が良かったな……」
「そうですね。まぁ、桜だったら、100回でも足りないぐらいでしょう」
マジですか……。
何だよその運動神経は。
少し分けてくれてもよくない?
そんな事を思っている間にもみんなの指示を聞いて、スイカに向かっている。
今、叩き割ろうとしている所で、
「桜!そこで大ジャンプ!」
「え!?ジャンプ?」
俺の指示を聞いた桜が少し焦りながら、ジャンプした。
見事、スイカを飛び越えた。
「…………で?」
「…………振り返って叩け」
ヤバい……。飛んだ後の事考えてなかった!




