まさかのキャラクター!?
「着きましたぞ」
そのまま、しばらくすると、目的地に着いた。
おう、確かにデケェな。
「では、行きましょうか。ああ、あと。予算は安心してもらって大丈夫です。皆さん欲しい物はありますか?」
車から降りてから豊美さんが皆に言う。
「俺は別に……」
「僕も」
「桜も別に大丈夫だよー」
「大丈夫です」
泉と飯田さん以外はすぐに首を振った。
「えっと、食器の種類と、量が少ないから少し買いたいのと、食材もたくさん買っておきたい」
「あと、掃除道具を……何点か買いたい……です」
主婦組が率先して買っておきたい物を選んでくれた。
「そうですか。いや、私も何を買えば良いか分からないので、今回は二人に任せます」
豊美さんは少し照れながら言った。
「はーい。じゃあ、りゅー君、カート持ってきてくれない?」
「ん、分かった」
少し離れたところにあるカート置き場に向かい、持っていく。
「じゃあ、ゆっくり周りながら行こっか!」
泉は荷物をカートに乗せ、楽しそうな表情で店を見ている。
「楽しそうですね」
カートを押している俺に豊美さんが横から話し掛けてきた。
「そうですね。まぁ、昔っからあいつってこういう所に来んの好きですからね」
昔もよく楽しそうに買い物している泉にカートを押させられてた。
まぁ、スーパー程度で喜ぶんだから、ここではもっと楽しいのだろう。
「ねえねえ、りゅー君見て、この竜のぬいぐるみ」
こっち来てと急かしてくる。
「うん?どれだ?」
「これこれ。名前が竜のりゅー君だって」
「お、おう……」
ホントだ……。
何か恥ずかしいな……。
超つぶらな瞳だし、丸っこい。
「か、買おーかな……」
「何でだよ。やめとけ、てかやめてくれ。幼なじみの部屋に俺への愛称と同じ名前のぬいぐるみがあったら気まずい。恥ずかしい」
「えー。可愛いのに」
えへへ、と笑いながらぬいぐるみを見つめる。
「じゃあ、りゅー君ぬいぐるみじゃなく、りゅー君下敷きを買おっと」
近くにあった、下敷きを取って、カートの中に入れる。
「そんなのあるの!?」
「うん。ほら可愛いでしょ?」
「いや、俺はよく分からん」
見た目は、子供番組に出てきそうだな、と思うぐらいだ。
「りゅー君も買う?」
「いや、要らん」
「じゃあ、このイズミちゃんの下敷きにする?」
「そんなのもあるの!?」
偶然だろうけど、変なキャラクターが多いな。
「何か、僕たち背景になってるね」
「知らなかったら、普通にカップルに見えそうですね」
「むぅー!中に割り込みたい!」
「まぁ、あの二人はいつもあんな感じなんで……」
「…………」
そんな会話が後ろから聞こえた。




