まさかの選択理由!?
「じゃあ、行きましょうか」
休憩も十分にしてから、買い物に向かう。
「戸締まりチャックしないとっ」
「じゃあ、桜は二階の戸締まりしてくるねー」
泉たちが戸締まりに行ってる間に、荷物を持ち、玄関に向かう。
「てか、歩いて行ける距離何ですか?」
「いえ。行こうと思えば行けますが、距離はまあまああるので、今回は家の者に車を動かしてもらいます」
またかよ……。
豊美さん、いくら何でも乱用しすぎだよ。
靴を履き、家の外に出ると、確かに車が止まっていた。
運転手さんは結構な年のいったおじさんだった。
「戸締まり完璧だよー」
最後に戸締まりの確認に行った、泉と桜が出てき、豊美さんが家の鍵を閉める。
「では、どうぞ」
豊美さんが車に入るように流すので、適当に車の中に入っていく。
はっ!秋の隣に座らないと駄目なのに!忘れてた!
秋はどこだどこだ?智也の隣だったら、ふふふふふ…………。
探してみたところ、秋は、俺から一番遠い、車の端におり、隣は飯田さんだった。
ふぅ、安心したぜ。
もしも、隣が智也だった場合は、この綺麗な黒の車が、真っ赤に染まる事になってたな。
まぁ、それは良いとして、また俺の横は、泉と桜なんだな……。
「では、発進いたします」
渋い声のおじさんが車を動かす。
「目的地まで、約10分です。それまで、安全にご乗車下さいませ」
バスの運転手みたいな人だな……。
「あっ、そうだ、竜ちゃん。何で料理対決の時に桜じゃなかったの?」
「その話続けるの?」
「私も気になるー。あかりんの味噌汁も美味しいのになんで私を選んでくれたの?」
お前を選ぶって何だよ。
俺が選んだのは、泉の味噌汁であって、泉自体は選んでないからね。
あと、地味に、桜を省いてるのは気のせいかな?
「えっと……。言わなきゃ駄目?」
「「うん」」
仲良く頷く、横の二人。
「飯田さんの味噌汁は確かに旨かった。泉の味噌汁と味が違うけど、あの味噌汁も良いなと思ったよ?でも、やっぱり、食べなれてきた、泉の味噌汁が美味しいかなって思い、俺は泉の味噌汁を選びました」
「……きゃっ」
頬を赤くして喜ぶ、泉。
え、何で俺が告白したみたいな雰囲気になってんの?
「ふぅーん。桜の朝ごはんに味噌汁あったけど、負けた理由はそこだったんだ」
不機嫌に俺を見つめる桜だが、何か勘違いがあったらしい。
「いや、桜は論外だからな?」
「むぅ!竜ちゃんの馬鹿!」
急に怒り出す桜。
「でも、みんな美味しいと思うよ?みんなそれぞれの味で、食べてて楽しいし」
智也のイケメン台詞が発動した。
「いや、智也君に言われても……」
「へー」
あれ?効果薄いな……。
ぷっ、ザマァ。
「あはは、ごめんね」
苦笑いをする智也であった。




