まさかの順番決め!?
「まぁ、マラソンと言っても、少し多目に走るだけですが。確か、全員で六キロ……つまり、一人一キロですね。それを走るだけです」
「全員でって事は走る距離は自由で良いんですか?」
「はい。一人、百メートルは走らなければ、なりませんが、走る順番、距離は自由に決めて大丈夫な様です」
だったら、桜が一番多く走るのは決定だな。
しかし、六キロか……。結構な距離があるな。
「桜は最高で何キロ走る自信がある?」
「うーん。正直に言って、全部走るのも余裕だけど、それじゃ何か嫌だから、半分の三キロぐらいかな?」
「それでも結構な距離があるが……うん、俺はそれで良いと思うぞ?」
「そうですね。では、半分の距離は桜にお願いして、残り半分の話し合いをしましょうか」
豊美さんが考えて出して、しばらくすると、智也が口を開いた。
「やっぱり、男子の僕たちが多く走った方が良いと思うから、男子は800、女子は500、600だと思うよ」
800メートルか……。長いな。
しかし、一人一キロだったのを桜が減らしてくれたから、文句は言えない。まぁ、俺は男だし、仕方ないだろ。
500でも長いしな。
「私は構いませんが、竜は?」
「俺も大丈夫ですよ。でも、600は誰が走るの?」
泉、豊美さん、飯田さん。
この三人だったら、運動神経は五分五分って所だろう。
泉と飯田さんは文学部だし、豊美さんは桜と同じテニス部だが、生徒会の仕事でほとんど幽霊部員だし。
うん。俺と一緒。
仕方ない仕方ない。仕事があるもんね?
…………まぁ、俺は何にもやってない気がするけど。
「私が走る!」
泉が俺を見ながら言った。
「俺は別に良いが……大丈夫か?」
「うん。中学校の頃は一応、運動部だったし……。体力は落ちてると思うけど、大丈夫」
「そうか。じゃあ、走る距離はこれで大丈夫だな」
俺の言葉に頷き、豊美さんが話し出す。
「では、次は走る順番ですが……。桜、どこら辺が良い?」
「えっと。一番最後かな?……前に人がいた方が、やる気出るし」
「では、桜は最後にしましょうか。他はどうします?」
豊美さんの質問にまた、皆が考え込む。
「豊美さん、俺が勝手に決めていいですか?」
「えっ?ものによりますが……。はい」
豊美さんの了承を聞いて、俺が考えた順番をみんなに伝える。
「最初が、豊美さん、次が飯田さん、最初をその二人にして、男子の智也を次に入れ、後は、泉、俺、桜。……こんな順番です」
「まあ、私は構いませんよ?」
俺の考えに頷いてくれた。
「うんっ!私も」
「は、はい。大丈夫……です」
「僕も大丈夫だよー」
他もみんなも良いと言ってくれた。
これで、会議は終わりだぁ!




