まさかの妹!?
「あっ。おはよ、お兄ちゃんやっとおきた?」
目を開けてみるとそこには眩しい光の中にまだ幼いけど、超可愛い俺の中学2年生の妹の一上 秋の顔があった。
こんな天使の顔を朝から見れるなんて幸せものだな俺は。
「あ~、夢か。おっと、おはよう俺の可愛い妹」
夢に後ろ髪を引かれる思いをしながら起きたが、起こしてくれた可愛い妹に朝の挨拶を交わす。
しかしくっそ、さっきのは夢だったか。何というか少し残念だった気もするが、あんな妄想より今ここにある現実!秋はかわいい!いえす、マイエンジェル!
「朝からうざい。てか、きもい。せっかく限りある朝のこの時間使って起こしに来てあげたのに夢って何?起こしてもらえたくせに文句?」
不機嫌に目を細め俺を鋭く睨みつける。
何か怒らせる様なことしたかな?もっと褒めたら良いのかな?よし。
「大丈夫、どんな事があろうがこの世で一番可愛いのは秋だからな」
「本当にキモい、とりあえず一回死んで?」
死ぬ?嫌だな。うむ、さすがにこれは怒らないと駄目だな。お兄ちゃんとして。お兄ちゃんとしてな!
「秋!死ねとか言うな!死んだらお前の顔が見れなくなるだろ!お前の声が聞こえなくなるだろ!お前の匂いが分からなくなるだろ!お前の体温が感じられなくなるだろ!あぁ、かわいい妹食べちゃいたい。てへっ」
「いや……うん本当にうざい、キモい、死んで」
「だから言うな!あ、でも照れる秋も可愛いよ」
「あはい、もういいです。とりあえず早はやく下におりてきて、朝ご飯出来てるから」
「やった、秋の作るご飯は美味しいから楽しみだよ」
「何言ってるの?朝ご飯なんて作った事ないよね?」
いやいやそこは黙れ、死ねでしょ。なに普通に現実を言うの?
「……まあ良いわ。早く下にいこうぜ」
そんな何気ないいつも通りの兄妹会話をして口は悪いままだが機嫌が少し戻ったのを確認し、最愛の妹とともに一階のリビングへと向かう。
些細な感情も理解できるのはお兄ちゃんの特権だな。
「あっやっと起きたのね竜。朝ご飯出来てるから早く食べなさい。学校に遅れるわよ」
リビングに入ると、母がエプロン姿で立ちながらニュースを見ていた。
母は俺と秋が来たのを確認すると、キッチンに行き味噌汁を茶碗に注ぎ、食卓に運ぶ。もちろん俺たちも手伝う。
そうして、三人で食卓につき食べ始める。父さんはもう仕事で家を出たのだろう。
しかし、母さんって適当にみえて意外とご飯が美味いんだよな。いつも朝ごはんでも手が込んでるし……。
朝でこれだよ?凄くない?
食卓にのっているご飯を見て一人で思う。
こういう日常のふとしたタイミングで母の存在に感謝する。まぁ本人には言わないけど。
俺が黙々と朝ごはんを食べている間、秋は母さんと談笑している。
おーい秋、学校遅れるぞ~。
「あっ!そういえば今日、お兄ちゃんが変な寝言を言ってたんだよ」
「え?なになに。教えてくれない?」
「はい、ちょっとまてー。おい、何のことか分らんが、いや何となく分かるけど。やめて、それを母さんに言うのはやめて」
秋が変なことを言ようとしたので、咀嚼していたご飯を急いで流し込み、とめた。
そろそろ家を出ないといけない時間だし、このままいたら嫌な予感がするので俺は自室に戻り急いで着替え、昨日のうちに準備していたカバンを背負い、急いで家を出る。
「じゃあ、学校に行って来ます」
「いってらー」
「はいはい、いってらっしゃい」
二人に声をかけて家を出た
俺の学校は、徒歩数十分の所にある高校だ。
まだ高校に入って1ヶ月も経ってない。
今までモテなかった分、絶対に高校ではモテてみせる!




