まさかの竜宮城!?
…………。
「さあ!着きましたよ」
ふぅ。落ち着こう。俺たちはお昼ご飯を食べに来た、普通の高校の学年生徒会メンバーとそのメンバーの中の一人の妹。
そんな金も無さそうな高校生たちの目の前にあるものは……。
「何でレストラン!?海の家じゃないの?これは家って言うか、城だよ!竜宮城だよ!」
品のある、デカイ店の前に俺たちは居ます……。
「大丈夫ですよ。予約はしてますので」
「そんな心配はしてねーよ!金の心配ですよ。俺たち、こんな店でご飯食べれるほどのお金はありません!」
みんなの口がぽかーんと開いている。
ぽかーん度、ナンバーワンは桜です!
ぽかーん度とは一番、口を大きく開いている奴の事を言う。
桜はぽかーんって言うよりもなかったバッカーンだな。うむ。言ってる俺でも意味わからん。
「お金も大丈夫ですよ。もう、コースを注文して支払いもしてますから。前払いってやつです」
「その金はどうやって?」
「参加費で3000円払って貰ってるんです。気にしないで!」
絶対に3000円何かで足りないよぉ~。
そのまま、俺たちは豊美さんに引きずられるように店の中に入れられた。
「いっらっしゃいませ。お客様、ご予約はされていますか?」
ほらー。何かピシッってしてる人が来たよー。
「予約していた、襠田です。人数は予約通りの七人です」
「あっ、ま、襠田様でしたか!これはご無礼を。せ席はこちらです」
襠田の名前を聞いただけで、慌て出したんだけど……。マジで何者なの?
案内された部屋はエレベーターで下に降りて、すぐの部屋だった。
部屋の扉の上にVIP室と書いてあったのは気にしないで置こう。気にしたら負け。気にしたら負け。気にしたら────
「って、何じゃこれー!?」
そこには、沢山の魚が泳いでいる水族館並みのデカイ水槽があった。
「どうですか?驚きました?この店は何と水中レストランもしていて、ご飯を食べながら海の中を見れるんですよ」
えっ!?ここって海の中なの?マジで竜宮城じゃん……。
「ねぇ、襠田さん。この水中レストランって全席そうなの?」
「いえいえ。お母様から聞いた話では二室あるそうです。もう一室は逆にあると思いますよ」
智也が恐る恐る聞いたら、豊美さんの反応はこうだった……。
「お母様?」
泉がある単語に反応した。
「はい。私の母です。仕事でこの辺りに来るときによくここで食事をするとかで。お母様が友達と料理を食べに行くならここにしたら良いと言われたので。……予約をしてくれたのも実はお母様なんです」
豊美さんのお母さんは確か、凄い女社長だとか。
襠田家、恐るべし…………。
「失礼します」
コック帽をかぶった、雰囲気のあるおじさんが入って来た。




