まさかのウイルス!?
そのまま、六人で試合を続けた。
勝者は桜である。
一点もくれなかった……。
やだよー。桜と一緒にスポーツをしたら、頑張ってる自分が恥ずかしくなるよー。
ちなみに智也は一人一回を宣言して、女性の山を崩していった。
智也の作業が終わるまで、疲れた俺たちは砂浜で休憩中。
桜はまた泳ぎに行った。
頼むから、その体力を一部分けてくれ。
俺は疲れて砂浜に倒れてる様に見せかけて、秋の写真撮影会。
おー、良いねー。そうそう、そんな感じだよー。うん、いい表情だよ。ひゃー可愛いねー。か、可愛いよ……。かわ……ぶふっ!
「竜!?鼻血出てますよ?暑いからですか?吐き気は?と、とりあえず、日陰に行きましょう」
鼻血が出た俺を豊美さんは熱中症だと思ったのか、いつの間にか立っていたビーチパラソルの下に連れて行かれた。
その後に、カバンからティッシュを取り出して、俺の鼻に入れる。
「大丈夫ですか?えっと、熱中症の時は……。と、とりあえず水を!」
豊美さんが水の入ったペットボトルを俺に渡してきた。
「あっ。ありがとうございます。でも、熱中症じゃ無いんで大丈夫ですよ?」
まぁ、ある意味熱中症だけどな。
秋熱中症。
秋の熱中症みたいだな……。
「そうですか?まぁ、安静にはしといて下さい」
「はい」
このまま秋の撮影会を続けたら熱中症より貧血で倒れそうだし、一旦止めるか。
「ぶっ」
後ろから不気味な声が聞こえた。
「つ、次は森川さんですか!?立て続けに鼻血が出るなんて……。まさか、何かのウイルス?」
次は泉が倒れたらしい。
しかも、鼻血を出して?何それ、怖い…………。
「あはは。大丈夫だよ。私もりゅー君の隣でゆっくり休んどくから」
「そうですね。二人は今は安静に。私は今からウイルスの可能性を確かめて来ますので」
豊美さんはそのままどこかに行ってしまった。
「ふふっ。りゅー君!」
ぎゃー!来ないでー!
泉が俺の隣にストンと座った。
ニコニコしていて何?怖い……。と言いたかったが、段々と表情が暗くなっていく。
「あのね、りゅー君。今年のキャンプ駄目になった……」
「え?」
キャンプとは毎年、泉の家族と一緒に川に行ってBBQする事である。
「予定してた日にお父さんの出張が重なってね……」
「マジか……」
キャンプは俺も楽しみにしてた。だから少しショックだ。
「でも、ね。豊美ちゃん達が二人でキャンプするの聞いて、私も幼なじみのりゅー君とどこかに行きたいってね……」
「あー、良いよ。二人でどっかに行く約束もあったし、それで行けば良いだろ」
「うんっ。良かった」
泉はニコッと笑った。
「もぉー。皆助けてよ」
ようやく終わったのか、智也が戻ってきた。
「たっだいまー」
桜も泳ぎ終わって、戻ってきた。
「あぁ。皆集まりましたね。ウイルスは無さそうですので、皆さんでお昼を食べに行きましょう!」
よく分からない機械を振り回しながら豊美さんも、戻ってきた。
そうだな。俺もお腹が空いてきた。




