まさかのチーム!?
「じゃあ、まずはチーム決めをしましょうか」
三対三の勝負だから……。
「グッパ?」
「それは非効率ですから……。運動が苦手な二人と桜が一番良いと思います」
まぁ、確かにそれが一番良いだろう。
「じゃあ、俺は桜とだな」
「何を言ってるんですか!泳げない私と飯田さんが桜とだと思います!」
「いや!一番の運動オンチは俺です!よって俺は桜と同じチームです!」
スポーツで桜を敵には回したくない。
「桜の為に争わないで!」
別に桜の為に争っている訳では無いのだが……。
「もう良い。桜が決めてくれ」
「うーん。水中でやるわけだし、やっぱり泳げない二人かな?」
桜がそう言うと、豊美さんがドヤ顔をしてきた。
「まぁ、せっかくですし、自分の特技を存分に発揮しながら楽しみましょう!」
スポーツでどんなに特技を発揮しても勝つのは桜だと思うけどな……。
「秋、泉。絶対に勝つぞー!」
「はーい!」
「はいはい。楽しくやろうね」
相手側の違って呑気な二人である。
「二人とも勝つよー!」
「当たり前でしょっ」
「は、はい……」
そして勝負が始まった。
サーブは俺たち側からだ
「とうっ!」
うまい具合にボールを打つ
「勢いが足りないよ、竜ちゃん!」
「ぐへっ!」
あっさりと桜に返されてしまい、さらに返されたボールを返そうとするが、勢いに負けた……。
強すぎでしょ…………。
ちなみに智也はまだ水中サイン会。
「次は私のサーブです!」
豊美さんが打ったボールがひょろひょろと来る。
そのボールを秋が受け、上に上がったボールを桜に出来るだけ遠い所に打った。
「い、今のボールの回転と、一上くん……の行動を、予測する。来た、ボールを……わたしが出せる全力で、この角度……から、打てば……決まる」
飯田さんの宣言通りに三人とも取りに行けない所にボールが落ちた。
…………。
ボク、ツッコマナイ。
「次は桜のサーブだね!」
「桜。森川さんの方に打ち、返されたボールで決めて。それと、返したボールは竜に当てて。唯一の男子を倒したら、一気に有利になるから」
「はーい!」
「そ、その角度で、いずみんの……方向に、行くと思い……ます」
「うんっ」
桜が打ったボールは泉に向かい、持ち上げたボールは相手コートに高く上がりながら入っていった。
そのまま桜が前に出て、来たボールを俺に向かって打った。
「ひゃうっ」
見事俺にクリーンヒット。
………………。
飯田さんがボールの軌道を計算で出し、豊美さんが作戦を考え、桜に指示する。それに従って桜は動く。
最強過ぎ!
「明らかにチームのレベルが違う!チームチェンジ!」
俺は大声で言った。
……智也はまた長くなった列の相手をしている。




