まさかの水着披露!?
何故だ……。
「わー。近くに来たらさらに綺麗だね竜」
何故なんだ…………。
「ああ、そうだな」
どうしてだ。どうしてなんだ。
「どうしたの?元気ないね」
「何で俺が用意した目潰し道具が全て無くなっているんだ!」
俺がカメラを用意して、着替えた後に目潰し道具を取り出そうとしたら全て無くなっていた。
家を出る前は必ずあったはずなんだが……。
しかし、部屋に居ない間に誰かが部屋に入ることは出来ない。何故ならリビングには全員居たからだ!
「やっぱり、僕の目を潰すつもりだったんだ……。重度の愛は、逆に嫌われるよ」
うっさい!
モテ猿に非モテの気持ちが分かってたまるか!
あぁ、モテたい……。
「竜が探しているのはこれですか?」
智也を睨み付けていたら後ろから呼ばれた。
振り返ってみると、露出は高くないが、少しアダルトな感じがする黒のビキニを着た豊美さんがいた。
そして、その後ろから続々と美少女達が来た。
「どう?やっぱり室内と海の前では違う感じするかな?」
水着を桜と二人で買いに行ったときに買った、フリフリの付いたカラフルな水着を着た桜と
「ど、どうです……か?変じゃ、無い……ですか?」
モジモジしながら肌を隠す飯田さん。
オレンジ色のワンピース型の水着を着ている。
飯田さんの小さい体に良く似合ってると思う。
「ふふっ!どうりゅー君、可愛い?」
どんな恐怖の水着が来るかと思ったが、露出度は一番高いものの、安全ラインの域の水着だった。
泉の白い肌がとても綺麗だと思った。
「ホントにお兄ちゃんってバカだよね」
つんっと俺を見る秋…………。
天使か?それとも悪魔なのか……?
一言では言い表せ無いほどの可愛さを放つ秋の水着は、薄茶色に花の絵がたくさん描かれていた。
これを見たものは悔いなく逝けると思った。
我が人生に一片の悔い無し!
「皆可愛いねー。ね、竜」
「ああ……。ここに女神が降臨なさった。ははっー」
「いや、キモいよお兄ちゃん」
キモいとかもうどうでも良い。
「話を反らさないで下さいよ竜。これは何ですか?」
何か拗ねてる感じがするのだが……。
「てか、あっ!俺の目潰し道具!それをどうやって!?」
俺が智也に使うはずだった目潰し道具が豊美さんの手元にあった……。
いや、しかし。豊美さんが俺の荷物を確かめるタイミングなんて無かったはずだが……。
「これは竜がリビングにいる間に、家の者に取らせました。次からはこんな危ない物は持ってこないこと。良いですね?」
えっ?豊美さんの家の人来てるんだ……。
「てか、人の荷物を勝手に触らないで下さいよ!」
「返事が聞こえませんよ?早くはいを言いなさい」
豊美さんが俺を睨みながら言う。
「…………はい」
何、怖い……。
絶対にお母さんになったら子供に厳しくするタイプだ……。




