まさかの警戒!?
「あっ、竜たちも来ましたか」
部屋に入ると豊美さんが居た。……いや、みんな居るじゃん。
豊美さんが見取り図に何か書いていた。
えっと、名前が書いてあるから部屋の使用者?
よしっ、秋の名前発見。
「元から整理されてましたし……」
そう、一時間も時間をもらったがそこまでしないといけない事が、ない!
「あはは……。もう海に行きますか?」
今の時刻は9時。
昼にも時間あるしな……。
早く秋の水着も見たいし、ふふふ……。
「俺は良いですよ」
「桜も大丈夫!」
元気良く手をあげて喜ぶ桜。子供だな……。
あと、貴様に期待していることなど無い!
「ふふっ、あっ!大丈夫だよ~」
な、何か不気味な笑いをしてたのだが!
やだ、森川さん怖い……。
「ははっ……。うん、僕も良いよ」
乾いた笑いを浮かべながら頷く智也くん。
えっなに?何で俺と泉を交互に見るの?
「う、海……。はい。大丈夫……で、す」
恥ずかしいのか胸の所でギュッと手を握りうつむきながら飯田さんが答える。
「はい。大丈夫……だよね?皆さんに助けてもらうので大丈夫です」
どうして俺を見ながら言うの秋?
ああ!大丈夫だよ、どんな男が来ても必ず俺が秋を守るから!
あっ、そだ。
智也の目潰し道具を取りに行かないとな。
「そうですね。秋さんと砂川くんの安全は私に任せてください」
豊美さんがじっと俺の目を見ながら言った。
なに?何で皆は俺を見るの?
そんなに見られたら……恥ずかしいよ……。
「えっ?何で僕も?」
急に名前を呼ばれた智也が反応した。
「竜の行動と砂川くんの性別を考えたら分かります」
「ああ……」
えっ、なに?俺が分からないのだが……。
うんまぁ。智也の目を潰されるんだったら何でも良いや。
「兄がいつもすいません」
「まぁ、大丈夫ですよ」
「僕は不安しかないけど……」
よく分からない会話が三人の中で広げられている。
「ねぇー。早く海行こー」
「そうだよー。ふふっ、早く海に行こっ」
早く泳ぎたいのか長々と話し合う三人に割り込む桜と、それに乗かって怪しいことを考える泉。
よく分からんが秋や智也の心配をするより、俺の心配をしてほしいです。
「そうですね。じゃあ着替えて海に集合しましょう。男子組は海に居てくださいね」
「ほーい」
「はーい。分かった」
訳すと私たちの水着を海で披露するから先に海に出てろって事だろう。
まぁ、男子の方が着替えるのは早いだろうし別に良いがな。
俺たちは頷いて部屋に戻った。
そして、俺は防水カメラセットと水着を出し着替え始めた。




