まさかの嘘!?
そのあとは、桜と二人で適当にブラブラと店を回って行った。
男友達とや、秋、泉とは絶対に行かなさそうな可愛い系の雑貨屋や無理矢理、女性服店につれて行かれたりと、幼稚園時代に少し出会っていたからって、数ヶ月前に久しぶりに再開したとは思えないほどに楽しかった。
桜はいったい何を思ったのか女性下着の店に連れて行かれそうになったときは本当に焦ったが……。
デパートを出たときにはもう空も暗くなっていた。
そう言えば、朝崎さん逹と別れたあとも何時間か居たけど、出会わなかったな。
「楽しかったね」
「俺は疲れた……。」
こいつ、無駄にテンションが高いし、元気過ぎるから本当に疲れた。
でも、まあ……
「楽しかったぞ」
「ふふっ、そうでしょうそうでしょう。」
水着が入った袋をブンブン振り回しながら喜ぶ。
おうおう、袋が破けるからやめろやめろ。
「とりあえず、家の近くまで送ろうか?」
「いいの?途中で電車降りる事になるよ?」
「それくらいは別に大丈夫だよ。もう結構な暗さだしな」
「じゃあ、お願いしようかな。ありがとっ」
「おう」
俺たちは駅に向かいながら話した。
そう言えば、今日は泉の乱入がなかったな。
さすがの泉でもあれはやりすぎだと思ってくれてたなら嬉しいが。
俺はそう思いながら電車があと何分で来るかを確かめようと携帯を取り出す。
……携帯の充電が切れてました。
てか、すぐに電車が来やがったし。
確か、泉によると電源が切れていたら居場所が分からないらしいけど、今日はこれが理由か!
「桜、泉からメール来てないか?」
「うん?来てたよグループの方で。ほら」
そう言いながら俺に携帯の画面を見せてきたので読んでみる。
いずみん『りゅー君の携帯の電源が切れてるんだけど、今りゅー君と一緒にいる人は誰?』
Akari『わたしは知らないよ~』
トヨミミ『すいません。今は海外にいるので知りません。』
サクラ『桜も友達と遊んでるから分かんない』
モテ猿『僕も知らないよー』
いずみん『秋ちゃんからは友達と遊びに行ってるしか言ってなかったからみんなの内の誰かと思ったけど、違うんだ……。分かったありがとねー。りゅー君と遊びそうな他の人にも聞いてみる!』
トヨミミ『ほどほどにして下さいね』
モテ猿『あはは……。泉ちゃんらしいね』
そこで話が終わっていた。
「普通に嘘ついてるね」
「竜ちゃんもそっちの方が助かるでしょ?」
「うん、まあ」
否定は出来ません。
俺たちは電車を降り、駅から出る。
「あっ、竜ちゃんって遊園地の時の約束覚えてる?」
「約束?」
遊園地の時になんか約束したか?
「もぉ、覚えててよ」
そう言いながら腕を大きく広げる
………………ハグの事だよな?
「ハグ……か?」
「そうだよ。さあ!」
さあ!じゃねーよ!急にそんな事言われてやるやつがいるか!
「そっか、あっ、竜ちゃんの居場所をあの人に教えないとダメか」
「よしっ、覚悟は出来た。三秒だけだぞ」
「さすが竜ちゃん。いい男心だね!」
うっせーよ!
今、泉に俺の居場所を教えたら何をするか分からないから怖いんだよ!
俺は桜に近づきゆっくりとちっさい桜の体を包み込む。
1……2………………3
「三秒たったぞ」
「あっ。うん。じゃ、じゃあばい、ばい」
「お、おう……」
そのまま桜は走って自分の家の方に行った。
三秒ってあんなに長かったけ?
そう思いながら、まだ桜の柔らかい感触が残った体を駅の方に向け、歩き出す。
早く家に帰ろっ。




