まさかの俺の怒り!?
あれ?
そういえば、あのボスが居なくなってる……?
桜が一人、また一人と気絶して行く姿を見ながら逃げる準備をする。
「秋、歩けるか?」
「うん。大分落ち着いて来た」
秋に手を貸し立たせる。
うぅ!秋の暖かさがあるよぉ~、無事で良かったぁ。
「こうなった理由は外に出たら聞くからな。」
「……うん」
最後の二人が武器を取り出した。
その二人は最初に俺たちを見つけたやつと、イラつくやつだ
「おっとと!君強いねぇ~。キャハッ!強い女の子が悔しがって好き放題にヤられるのが好きなんだよなぁ~」
「おい、良いからさっさと押さえるぞ」
「はぁーい」
指にゴツゴツの指輪を着けた男がウザ男に指示する。
ちなみにウザ男は警棒の二刀流だ。
戦う姿勢もウザいな……。
「えぇ~、やっぱり武器使うんだ。豊美ー」
「はい!」
豊美さんが何かを投げた。
あれは……竹刀?
「最後に『道』って付くスポーツで武器使うのって剣道だけでしょ?だから、竹刀!テニスラケットでも良かったんやけど……。」
いや、武道の達人かよ……。
うん、達人だったな。
てか、最後の一言が恐すぎっ!
確かに桜って、俺と違って部活もちゃんと行ってるしね!
俺のラケットは部屋の押し入れの奥にあると思う!
「えっ!?女の子の方も武器持ってたのぉ?あっ、でも二刀流と一刀流だから、宮本武蔵と佐々木小次郎だね!」
「?」
ハァ?こいつは何を言ってんの?
ここが巌流島だとでも?
で、桜はその二人の話ぐらいは知っとこうね。
「桜、そいつは気絶させずに、動けないようにしといて」
そいつは俺の拳でどうにかする。
「了解!足の関節を外して、動けんようにするね!」
そんな事出来るの……?
「えー?何で僕だけぇ?」
自分のウザさに気付けやボケぇぇええ!
そんな事を思っている間にもう一人の方が竹刀で頭を叩かれ、よろめいた瞬間に横腹に叩き込まれ、最後に胸の間の所を突かれて吹き飛んで死ん……では無く、気絶した。
……死んでないよね?
てか、その動きを5秒も掛からずにするとは……。
「ありゃ?先輩も負けちゃった?リーダーもいにゃいし……。逃げるか!」
ウザ男が逃げ行く。
いやぁ、佐々木小次郎さん潔いね!
しかし……
「桜!さっきのお願いを!」
「ほーい!分かってるよ」
桜があり得ないスピードで追い付き、腕を掴んで身体を回し、ウザ男を壁にぶつけ、ウザ男が泣いて鼻血が出ているのを完全無視して足を払い転ばせ、何かよく分からない動きをした瞬間にウザ男が悲鳴をあげた。
うわっ、痛そう……。
あれって、鼻折れてないのかな?
「足の関節外したで~。これで逃げれん。」
桜の目が怖かった……。
桜も微妙にこいつにキレてないか……?
「ちょ、ちょっと待って、ね?許してぇ」
俺は素敵な笑顔を作り、言ってやった。
「とりあえず、お前がイラつくから、りゅー君、竜、竜ちゃん、一上くん、そして、妹への愛情を込めた!お兄ちゃんパァーンチ!!」
涙目で助けを求めるウザ男に俺の全怒りを込めたパンチを贈ってやった。
どこを殴った?
ははは!聞かないでおくれよ。
でもまぁ、スッとした!




