まさかの内装!?
豊美さんの部屋を見ての第一印象は……
「紗那さんばっかりだ……。」
壁には紗那さんポスター
机には紗那さんの写真
ベットの中には紗那さん人形。
さらに紗那さん抱き枕。表裏にビキニ水着の紗那さんと下着姿の紗那さん写真が印刷されている。
うん?両方水着?それとも下着?
まぁ、どっちでも良いか。
本棚には『襠田 紗那全集』と書かれて本。
置かれている家具は全て紗那さん写真を貼られている。
いや、紗那さんだらけだし、何だよ襠田 紗那全集って……。
紗那さんのキャラもキャラだから、下着姿を見てもまったく何も思わないのが何よりもの救いだな。
てか、豊美さんの印象も変わってきたな……。
「な、何ですか、これは……。くっ、また姉さんは!すいません竜、少し部屋の外に出てください。
「あっ、はい。」
どうやら豊美さんの趣味では無かったようだな。
少し安心しました……。
さっき、紗那さんが豊美さんの部屋に居たのは、この気持ち悪い部屋を作るためだろう。
………また今度、秋の部屋で試してみようかな……?
バサバサっ!ゴソゴソ
部屋を片付ける音が聞こえてくる。
荒っぽい事から相当怒っている事が分かる。
後で紗那さんは………。
「む、部屋を追い出されたのか?君は一体、豊美に何をしたんだ?」
逃げたはずの紗那さんが隣の部屋から出てくる。
「紗那さんの変態行動のせいです。俺は何もしていない。」
「変態行動?いや、あれは僕の愛を豊美に伝える為にした事だ。君も妹の部屋に自分のグッズが沢山飾られてたら嬉しいだろ?それと同じだ。」
いや、嬉しいけど……。
変態行動で分かってしまうのは自分で分かっているからではないのか?
「……知りませんよ。てか、早く部屋の中でゆっくりさせて下さいよ。」
いまだに豊美さんの家に来て心を休める時間がない。
「なら、僕の部屋に来るか?豊美の部屋の隣だからすぐだよ」
だから隣の部屋から出てきたのか。
「いや、遠慮しときます。今の豊美さんの部屋と同じ空気がするので」
絶対に豊美さんで溢れかえった部屋だと思われる。
「ふむ、僕の部屋が豊美だらけだと思ったのかい?」
「はい。ほとんど豊美さんで埋まっているのだと。」
「ふっ、少し不正解だ。ほとんどではない!全部だ!カーテンも布団も文房具も!逆に豊美がいない所を探す方が困難だ!」
そんな事を誇らしげに言うなよ……。
一回、秋だらけの部屋にしてみようかな?
でも、秋の文房具ってどうやって作るのかな?
「だから!私のグッズを作るのは本当にやめて下さい!」
部屋の掃除は終わったのかいつの間にか部屋から豊美さんが出てきていた。
「いや、愛する妹の頼みでもそれは聞けないな。代わりに僕は部屋にいる二人の邪魔はしないことを誓おう。ふふ、二人の話を聞くだけだからね……。」
最後に紗那さんが何かを言ったが、俺と豊美さんには聞き取る事が出来なかった。
「じゃあ、今度こそはどうぞ」
「はい。失礼します」
今度こそはゆっくりできる事を祈りながら部屋に入る。




