まさかの公認!?
んで、今の状況である。
いや、本当に何この状況。
「だから、私の家に行くためにお父さんに車を出してもらい、竜の家に行き、私の家に向かっているという状況です。」
「だからそれが何!?」
いや、真面目に何この状況。
すんげぇー、気まずいのだが……。
まあ、だからといって家に帰れる訳じゃないって分かっているのだがな。
秋、帰りたいよぉ~。
「少年。確か、竜君だったかな?」
「ひゃい!な、何でしょうか?」
いきなり豊美さんのお父さんに話し掛けられ、変な声で返事してまう。
「ははっ、そんなに緊張しんで良いで。顔合わすのは今日で二回目やろ。まぁ、初めて見たときは気ぃ失ってたけどな」
女友達のお父さんは緊張するものである。お母さんでもするがな。
しかも、豊美さんのお父さんって強面なんだよな。
梅田先生と良い勝負。
「あー、はい。そうでしたね」
確か、桜に気を失わされたけっ?
まぁ、緊張しんで良いからな。でや、一つ聞きたいのだが……。豊美とはどんな関係だ?」
「……えっと、どんな関係と言いますと?」
「そのままや、付き合ってるのか、ないのか。」
ぶっふ!このお父さん、娘がいる前で何を言っているの?
「いやいや!付き合ってませんよ!」
「は、はい!竜とはそんな関係じゃないですよ!」
黙って、俺と豊美さんのお父さんとの会話を聞いていた豊美さんも反論する。
俺と豊美さんが付き合うとかありえねぇー。
てか、想像できない。
「む、そうか……。」
えっ、何?何でちょっとだけ残念そうなの?
普通は父親として安心するところじゃないの?
「はい。何で少し残念そうなのですか?」
俺は思ったことを率直に聞いてみた。
「いや、姉の方がな豊美にベッタリでな。紗那の奴がな豊美に近寄る男子を蹴散らして、豊美さんに恋愛経験が全くなくてな。父親として複雑な部分もあるが娘にはちゃんと恋愛をしてほしいのだよ。」
あー、何となく想像がつく……。
俺も秋に集る蝿を問答無用で叩き落とすだろうしな。
「ちょっと、お父さん……。」
豊美さんは少し顔を赤くしている。
まあ、父親と友達がこんな話をしてたら恥ずかしいしな。
「でも、何で俺に?」
俺が豊美さんと付き合うことになっても他の男と同じようにされるだけだろ。
「まあ、あいつが意外と竜君の事を気に入っててな。君なら豊美と付き合っても良いと言っててな。」
あれ?俺って意外と好かれてたの?
「姉さんまで……。」
豊美さんがお疲れのようです。
まあ、俺は豊美さんと付き合う気はないしな。
それは豊美さんも同じだと思うが。




