まさかのメリーゴーランド!?
俺たちはメリーゴーランドに着き、桜が乗る所を決めた。
「なあ、桜」
「どうしたの?竜ちゃん」
俺は今、桜に指定された馬に二人で乗っている。
一応二人乗り用の馬だからそれは良いとして…
「何だこれ?」
桜が俺の後ろにいる
「さあ?桜もよく分からなくなってきた…。」
だったら変な位置を指名するな!
ちなみに他のみんなは真逆でまったく見えない所に居ます。
「とりあえずギュッ!」
桜が後ろから抱きついてきた。
胸とは言えない程の胸が当たっている……気がする。
「うわっ、固いな。筋肉あり過ぎだろ」
ゴスッ
「…っ」
後ろからおもいっきり殴られた。
ゴスゴスゴスッ
「痛い!わ、悪かったから無言で殴るのはやめて!」
そう言うと殴るのを止めてくれた。
「もう…。」
桜が俺の体に巻き付けていた、もう片方の手をほどき、代わりに顔を俺の背中にくっ付ける。
「さ、桜?」
「ねえ、竜ちゃん…」
桜は俺の背中に顔を埋めながら言う。
「うん?」
「あ、あのね…、桜は竜ちゃんの事…、す、好きだよ」
「おお、ありがとよ。」
何だよそんな事か…。
いやー、何か真剣な声色だったからちょっと不安だったんだよな。
「ねえ、返事って聞いて良い?」
桜はまだ顔を埋め、女の子らしい声で聞いてきた。
「返事?ああ、俺もお前の事は大切な友達だからな。うん、俺も桜の事は好きだぞ」
当たり前だ。
俺が桜のことを嫌っている訳なんかない。
「あっ、いやそうじゃなくて……」
「うん?」
「やっぱり何でもない。ありがとね」
「おう」
何が言いたかったのだろうか?
ちょうどその時にメリーゴーランドの回転は止まり、俺たちは降りる。
今日は何か女子と二人っきりになることが多いな。
お化け屋敷(変)では豊美さんと
観覧車では泉と
メリーゴーランドでは桜と。
飯田さんともあったりして……。
無いな、飯田さんと二人っきりは、ならないだろうな。
「次は何処に行きましょうか。」
豊美さんが悩みだす。
「今日、行きたいところを決めてない竜と飯田さんが決めたら?」
智也の提案の通りにしたら良いと思うが
「俺は何処でも良いよ。飯田さんは?」
「へ?わ、わたしは……何処でも、だ大丈夫、です…。」
俺に呼ばれた飯田さんは慌てながら、手を顔の前で振る。
小動物みたいでかわいい。
あっ、でも秋の方が可愛いもん!
「お願い!あかりん決めて」
泉が飯田さんの方に寄る
「え?あっ、う、うん。分かった…。」
頷くと面白そうなアトラクションを考える
「じゃ、じゃあ…」
「お化け屋敷、お化け屋敷お化け屋敷………」
豊美さんが小さな声でお化け屋敷を連呼する
「お、お化け屋敷…で。」
それに負けた飯田さんがお化け屋敷にするが
「豊美さん…。」
低い声で言い、軽くにらむ。
「うぅ、すいません。」
今回は…僕の勝ちだ
「あかりんが自分の意思で決めて大丈夫だよ」
「うん…」
自分の意思で勝手にキスしてきたしな。
柔らかかった……。
「じゃ、じゃあ。カートみたいなの…」
カート?
有ったかな?
アトラクションが書いている所を読んでみると、あった。
「じゃあ、ここにしようか」
智也の言葉にみんなが頷き、歩き出す。
それにしても意外だった。
飯田さんみたいな人がカートをしたいと思うなんてな。




