まさかの人!?
「あ、久しぶりですね。えーと、名前知りませんでした」
てへっと、舌を出す。
「あ、板橋です、板橋 桜」
「一上 竜です」
俺と桜は一応自己紹介をした
「あっ、自分はですね————」
「おーい!古都乃、何してんだ?」
古都乃と呼ばれた店員さんの奥から、男の人が来た
「ちっ、邪魔、帰れ」
「何で!?」
舌打ちされ、凄い目つきで睨まれていた・・・。
どういう関係なんだろう?
「ね、ねえ。誰なの?」
後ろから智也に聞かれた
「あ、ああ。この前桜と二人で喫茶店に行った時にいた女性店員」
「二人で喫茶店?」
あっ、泉が反応した
「まあ、私は見たことありますよ。一回桜とその喫茶店に行きましたから。桜の家の近くのですよね?」
「はい。そうです」
「二人で喫茶店って、どういう事?」
「お前には関係ないだろ」
「浮気?」
「お前と付き合った覚えはない」
「あっう」
泉は膝を地面に着き、落ち込んでいた。
何で落ち込んだふりなんかすんだよ
ちなみに古都乃さんたちはまだ言い合いしてる
「あ、あの・・・。」
桜が話しかける
「あっ、すみませんね。とりあえずお前は何かつまめる食べ物買ってきて。おごりで」
「何でだよ!まあ、良いけど」
良いのかい!
男の人はトボトボどこかに向かった
「すいません。えーと、自分の名前は朝崎 古都乃です」
朝崎さんは普通の態度に戻り、俺たちに向き直す
「その前に、板橋さんこっちに来て」
桜が呼ばれ、朝崎さんのところに行く
「どういう事ですか?どうして二人で来ないんですか?」
聞く気は無かったが普通に聞こえてくる
「え?あっ、ち違いますから!」
桜は手をぶんぶん振っている
「そうです!二人で来るのは私とりゅー君です。他は許しません、誰であろうと・・・。」
な、なんか怖い・・・。
「てか、何でお前と二人で来ないといけないんだよ!」
「ふむふむ、面白いですね。二人・・・、いや、残りの二人ももうすぐで咲きそうですね」
うん?何の事だ?
「そう言えば、朝崎さんこそあの人と二人で来たってことは」
桜が抵抗しようとする
「うん?ああ、あのヘタレ男の事ですか?」
ヘタレって・・・可哀想だろ。
「おい、陰口はやめろって言ってるだろ。ちゃんと俺に言え」
いつの間にか帰って来ていた、男の人が言う。
てか、言っても良いのかよ
手に持ってるのはたこ焼き
「お前、これ好きだろ?はい」
「ありがと、じゃあ帰って」
「だから何でだよ!?」
仲いいのか、悪いのか・・・。
「あっ、自分の名前は大垣栗希です」
男の人は軽くお辞儀をした
「豚は帰れ!喋りかけるな」
うわぁ、きつい事言われてるな
「そんなに太ってないだろ、あと俺は鳥だ!チキンだ!」
まあ、そこまで太ってないが、自分でチキンって言うなし
「キモッ、とりあえず、こと、あっ、私はここでおさらばします。では」
朝崎さんは軽く頭を下げて歩き出す
「自分の事、いつも通りにことって言いよってたね。ははははっ」
笑われている
「うっさい!近づくな」
「グッヘ」
「「「「「「・・・・・・。」」」」」」
思いっきり蹴られていた
俺たちは二人の事を無言で見ることしか出来なかった・・・。
 




