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小説の切り方

 なろうユーザーAさんは小説を探し、そして小説を選びました。彼の目の前には今、本文が開かれています。

 なろうユーザーAさんは読者なので、一度クリックしてしまった小説は責任を持って全文しっかりと読む……必要はないですよね?

 そうです。その小説が気に入らないものだったなら、読者はいつでも読むのをやめる事ができる、つまり小説を切る(閉じる)事ができるのです。

 すると僕の中に、こんな疑問が浮かんできました。


 『読者が小説を切る時の理由って何だろう?』……皆さんは気になりませんか?


 面白そうだと思ってクリックしたはずの小説でも、中身を読んだら興味を失くした……そんな経験が誰にでもきっとあるはずです。僕にもあります。その時の気持ちを思い出しながら、僕なりに予想を立ててみます。

 当然ながら、小説を切る理由はその時に読もうとした作品によって違うでしょう。

 なので僕が小説を読む時、特に気になってしまう、または気にして読むようにしている部分も参考にしながら予想を書き綴ってみます。


☆予想1

「小説作法ができていない」


☆予想2

「誤字・脱字・誤変換が多すぎる」


☆予想3

「キャラの言動、考え方に共感できない」


☆予想4

「ストーリーが雑で超展開」


☆予想5

「ストーリー進行と無関係な横道や無意味な会話が多すぎて飽きる」


☆予想6

「ストーリー進行に徹するあまり横道や無意味な会話が少なく、あっさりしすぎ」


☆予想7

「設定に矛盾や穴があり、ご都合主義」


☆予想8

「難しい言葉や知らない言葉が多用されていて読むのがつらい」


☆予想9

「単純につまらない」


 こんなところでしょうか。

 ちなみに僕の場合、小説を読んでいて一番困るのは予想3の「キャラの言動、考え方に共感できない」ですね。「え、なぜそこでそんな行動を?」とか「こうすれば問題解決でしょ、何で無理にシリアスしようとするのさ」と思わせられる作品はよろしくないかと。

 別に全キャラ天才にしろというわけではなくて、おバカキャラはおバカなりに一本筋の通ったバカっぷりを発揮してくれればいいのです! ……って自分でも何言ってるのか分からなくなってきました。


 僕の予想を見てくださった皆さんは、この予想をどう思ったでしょうか? 「全くもって同意。我は予想1・4・7を重視する」という方も「何ですのこの予想、全然足りませんわ。わたくしの切り方は○○でしてよ!」というような方もいらっしゃるかと思います。

 その熱い思いを、ぜひ本作にぶつけてみて下さい!


 ここから先は、いつも通りの寸劇が始まります。お時間とご興味のある方はぜひ見ていって下さい。



 ◇   ◇   ◇



 ──ある底辺作家の脳内にあるという『ゼロ次元会議室』。

 そこに集められた四つの作品の主人公とヒロインが、今日もどうでもいい話を、わりと真剣に繰り広げていた──。


「みんなー! 熱くなってるー? お待ちかね! とある作者の脳内会議の時間だよーっ!」

「いや別に待ってないのである」

「あっ……そっ、え……ぇ……」

「今のは嘘なのである! 待ち遠しすぎて死ぬかと思ったのである!」

「えっ? トウカちゃんってもう死んでるよね? 幽霊少女なんでしょ?」

「あ、忘れていたのである」

「それを忘れるなんてとんでもない! ……とゆーワケで、はじまりはじまりー! 進行役のミソラだよ!」

「ここまでが台本なのである」

「う~ん……別に面白くなかったなぁ」

「そうだそうだ! こんなコントよりエアドラムだ! 早くしろ!」

「だ、ダーメだよー。今日はスカートの下にジャージ履いてないからパンツ見えちゃう」

「それがいいんです」

「わ、分かったよぉ。そんなにパンツが見たいなら見せてあげる……チラッ」

「おおっ! ……ん? 紺色?」

「ざーんねーん! スカートの下はスク水でしたー! パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」

「スク水ブレザー……ブラボォーッ!!」

「最ッ高にハラショーだぜぇぇぇーーッ! ……ほい、ここまでが台本だ」

「くだらなすぎて寒気がするのである。見てみろ、この鳥肌を」

「ちっ、やっぱ駄目かぁ。無理に面白い事しようと思ってもスベってばっかだ。こんなんじゃ読者が逃げちまうよ」

「まぁ難しいよね、人を笑わせるのって。栗山高校一のエンターテイナーであるこの私でも、みんなを笑わせるには苦労するからなー」

「笑いにこだわらなくても、小説には他の魅力だってあるさ。感動とか、時には悲劇なんてのもアリだと思うけどな」

「ツヴァイ殿がそれを言うと説得力が皆無であるな」

「はいはいその通りですねぇ、どーせ読まれなかったですよぉ、悲劇なんて」

「まぁそれは置いといて」

「置いとくんだ」

「今回の会議ではアクセス数の話をもう少し掘り下げて、話別アクセス数に注目してみるんだろ?」

「そうそう、そうだったね。話別アクセスっていうのは、文字通り各話に対する個別のアクセス数の事なんだけど、これが実に興味深くてね。この話別アクセスを見れば、その作品が読者にどう思われているのか、少しだけ垣間見る事ができるんだ」

「ほええー……話別アクセスで読者の評価が分かっちゃうんだ?」

「そうだよ。まずは一話のアクセス数を見てみる。仮に一話のアクセス数が100だったとしよう。次に二話のアクセス数を見てみる。そこが50に減っていたら、一話を見てくれた人の半数が二話を見なかったという事になる。これがどういう事か分かるよね?」

「分かりたくはないが、分かってしまうのである。残念だが、その小説は一話で読者が読むのをやめてしまうほど魅力がないという事である」

「そうなんだよ。だからこそ知りたいじゃないか。読者が何を思ってその小説をそっと閉じたのか」

「なるほどなるほどー! つまり今回の『考えてみる』はこれだっ! はいトウカちゃん!」

「『読者諸君は、いかなる理由を以てその小説を駄作と判断しているのだ?』であるな?」

「上手に言えましたー!」

「でもさぁ、これを考えたところで作者にはどうする事もできねーよなぁ」

「え、そうかな?」

「だって作者は、結局のところ自分が面白いと思うものを全力で書いて投稿するしかないんだぜ? これでストーリーがつまらなかったとかキャラが嫌いとか言われても正直困るだろ? 流れに沿って作ってるから簡単に変更なんてできないんだし」

「うむ、それはあるだろうな。だが指標にはなるのである。気をつけるべき点がはっきりすれば、一話切りを回避できる可能性も高くなるのである」

「それもそうだが、まだあるぜ? 作品の何が不満だかはその時読んだ小説によってマチマチだ。ストーリーがつまらない作品もあれば、文章がヘッタクソな作品もある。答えなんて纏まらないんじゃないか?」

「そっか……なら、読者が特に気にしてそうな事や、特に気になってしまいそうな事を考えてみたらどうかな?」

「なるほどなるほどー! 一つの小説に対しての意見というよりは、読者さんのポリシー的な部分を考えてみるんだね!」

「カエデ殿、まだ言い足りない事はあるか?」

「いんや……とりあえずは上出来だと思うぜ? つーわけで、今回はこれでお開きだ! また会おうぜ、みんな!」

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