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ゲームスタート

「スタート時の水鉄砲は一人一個!スタート場所は、ルーシーが体育館裏、ザックが理科室、エミリーが図書室、アリーが駐車場、エドが六年三組の教室、ジミーが一年二組の教室だ。それじゃあその場所に移動して」

スピーカーの呼びかけで、グラウンドにいたチームたちがぞろぞろと移動し始めた。俺たちも例にもれず、駐車場へと歩き出す。

「『悪魔』のリーに言うけど、裏切者を決めたら俺のところにメールちょうだい。そしたら全員にメールを送るから、みんなはそのメールを他の人に見せちゃダメ!誰が裏切者なのかわからないようにしておいてね。リー、もちろん全部のチームの人を裏切らせる必要はないから、気楽にね」


「とりあえず、他のチームの勢力図は全部メモリました」

メグがずっといじっていたケータイを見せた。

「ありがと。とりあえず、このゲームだと人数が多い方が有利だってことはわかったよね。一番弱いところはどこ?」

「エミリーのところです。一番強いのは、エドのとこ。七人です」

アリーの問いに、メグが画面をのぞきながら答える。

「七人なら、私たちのところと大差ないんじゃないかな?」ロクサーヌが横から口を出した。

「はい。向こうは『騎士』なので、『魔法使い』のこちらにはダメージを加えられません。そしてこちらは相手の一人を止められるので、実質六対六です」

「うっわ、『魔法使い』怖ぇー」俺が思わずつぶやくと、「お前のことだよジーン」と呆れたロクサーヌが突っ込んだ。

「つまり、エミリーのところは他のチームも標的にしてるってことですね?」

カミラがメグに聞き、メグはこくりと頷いて答えた。

「でも、みんなはわたしたちを倒すために同盟を組もうとするはずです。つまり、わたしたちはそれを阻止しなきゃいけない」

「ということは」リリーが合いの手を挟んだ。「こっちから協力体制を持ちかけるってわけですね」

「『悪魔』のいるところはやめてくれよ…」

俺は力なく突っ込んだ。


そのとき、みんなのケータイが鳴った。一斉にケータイを開く。

「これ、音で気づかれるから、みんなマナーモードにした方がいいかもね」

「でもジェリーのメールに気づけないと困りますよ?」

「だからバイブが鳴るマナーモードで」

軽口をたたきながら、メールの文面を確認した。

『GMのジェリーです。『悪魔』が裏切者を決定しました。あなたは裏切者ではありません』

「お、裏切者誰だ?」俺が好奇心丸出しで聞くと、カミラが困ったように眉を下げた。

「それ言っちゃいけないって言われたじゃないですか」

「別に盗聴器仕掛けてるわけじゃねーしよぉ、言ったってバレねーだろ?」

「まったく、ジーンちゃんいっつもルール無視なんだから。裏切者は私だよ」

アリーが水鉄砲を俺に向けた。とたんに俺の周りを固める仲間たちが頼もしくないわけでもないが、さっきからケータイとお友達になっているメグだけは一歩も動かないのが気になる。

「おーいメグ」呼びかけてみた。「なんですか?」

「お前今どことメールしてる?」

メグは答えなかった。ち、と今にも舌打ちしそうな顔をしている。あぁそういうことか。

「みんなー、裏切者はメグだぞー」

「あーもう…なんでジーンはこういうときだけ頭よくなるんですか…」

メグが複雑そうな顔をして俺を見る。なんだよ、まるで俺が普段はバカみたいじゃないか。まぁ実際バカだけど。

「まあいいです。わからせようと思ってとった行動ですから。自分から言うのは禁止だけど、チームメイトが自然にわかっちゃった場合はルール違反にならないみたいですし。まだ『悪魔』から命令はありません。だから、今はアリーチームの味方です。命令があった場合は、それを遂行しなくてはなりませんが」

「そうか。あいつのとこって頭回らないんだな。パシらせて他のチームの邪魔すりゃいいのに」

「頭回んないのはあんただよ、ジーンちゃん。パシらせすぎると疑われて裏切者が殺されちゃうでしょ」

「な、なるほど」


俺がバカなことを言っている間に、

「ゲームスタート!」

スピーカーで拡大されたジェリーの声が、静かな小学校に響き渡った。

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