未来へのカウントダウン
カウントダウン形式で進む話
これは僕の24時間前からの記録
24時間前―――
僕の家に宛名の無い届け物の箱が届く。
誰からの届け物か名前が書いていない上に、何が入っているかも書いていない。
不審に思ったので、玄関にしばらく放置することにする。
22時間前―――
玄関に放置していた荷物が急に暴れ出す。
その音に驚き、部屋にいた僕は慌てて玄関に向かう。
段ボールが勝手に飛び跳ねる現象は、傍から見ると不気味を通り越して、なんだか笑えてくる。
21時間前―――
しばらく見ていて特に問題ないと思い放置。
段ボールは一時間も暴れていたがようやく収まる。
段ボールの一部が破れ中から人の手が出てくるが、驚くより先に穴が開いたせいで段ボール再利用できないなと考えてしまった。
18時間前―――
段ボールから出てきたのは、一人の少女と一匹の蝙蝠だった。
少女は未来から僕に会いに来たと言い、僕が未来で大活躍をするので、その活躍のせいで捕まってしまう組織が、僕の命を狙っていると教えてくれた。
だがその説明の前に、なぜ段ボールをすぐ開けなかったのかという説教が2時間以上続けられていたせいで、あまり命の危機だと実感が持てなかった。
それに少女の話よりも、少女の横にいた話す蝙蝠の姿と声があまりにも可愛すぎたので、僕は蝙蝠を夢中で抱き締めていた。
15時間前―――
少女と未来のことを話していると、いきなり家にミサイルを撃ち込まれた。
未来では一度未知のウイルスが蔓延し、それに対抗するため抗体ワクチンを全人類接種、その影響で全ての人間に動物の耳としっぽが生えることになったらしい。
「今その話は必要ないのでは?」と少女は言った気がしたが、これは僕の生き様に大きく関わると、根掘り葉掘り聞き出している最中に攻撃された。
不意を打って攻撃するなんて、まさしく敵らしい行動だ。
14時間前―――
近所に止めてあったバイクに乗って僕たちは逃走。
頭の中に有名な歌詞がよぎったが、後ろから聞こえる発砲音にすぐに頭を振って闘争に専念する。
しばらく走ると前方を黒服にサングラスをかけた男達が道路を封鎖して僕達のことを待ち構えていた。
後ろから追っても迫り逃げ道も無い。
絶体絶命かと思ったとき黒服の一人が前に進み出て、懐から名刺取りだし、僕に差し出してきた。
名刺には【株式会社 悪党三昧社 第二課 転ばぬ先の杖部署 過去担当係 係長 心配 無用】と書かれていた。
それから、僕は未来で大活躍して彼等の会社に大打撃を与えるが、それなら敵になる前に味方に引き込めと来たらしい、決して僕を抹殺したりしない。
サングラスをかけたまま笑顔でそう僕に説明してきた。
はっきり言ってその笑顔が一番怖いし、脅しだと思う。
心の中でそんなことを考えていると、僕の背後で少女が閃光弾を投げその場を離脱。
10時間前―――
ひとまず姿を隠した後、少女が悪党の係長と話をつけに行くと言い出す。
少女の話と、サングラスたちの話は全然違う。
今の僕はどちらを信じていいのか分からない。
ひとまずまだ一度も僕に危害らしい危害を加えていない少女を信じることにする。
9時間前―――
係長と少女が対面、一瞬即発の空気がその場に流れる。
同時刻、隠れ家にいた僕はコンビニに買い物に、腹が減っては戦ができず。
5時間前―――
コンビニからの帰り、道に困っているおばあさんを案内し、川で流されている犬を助け、兄弟げんかしている子供を仲裁してから隠れ家に帰ると、少女が傷だらけの姿で帰ってきていた。
そして蝙蝠が少女を逃がすために一人囮になったと口にする。
可愛い蝙蝠が心配になりすぐに交渉していた場所に向かう。
1時間前―――
サングラス達をすべて倒し、蝙蝠を無事救出する。
激しい戦いの末に、なぜか最後まったく関係ないのに倉庫が爆破して大変な目にあった。
係長の最後の言葉「これで終わったと思うなよ」、負け犬の言葉にしては芸がなさすぎる。
だが一抹の不安は残ってしまう。
1分前―――
そして未来へ僕は向かうことになる。
全ての憂いを断つために、僕は未来に行くことに決めた。
少女が最初に行った言葉「未来を助けてください」、僕はその言葉に付き合った。
何が起こるのか、不安などなく期待だけが胸を膨らましている。
ついでに、当たる宝くじの番号も見てこようと心に刻む。
現時刻―――
そして物語は未来へ続く―――。
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