②今日は、王子が来るっていうことは、騎士のローランド様が来るってことだわ 私、頑張る!!
聖女よ「私じゃなくて王子を見てください」の続きで、聖女視点のお話です
今日は王子が来るっていうことは、騎士様のローランド様も来るってことだよね「どうしましょう……おしゃれしなくちゃ、おろしたての白いワンピースがいいかしら」とメイドに言う私を、「そうですね、この飾りはどうでしょう? 」
という長身のメイドもノリノリで答えてくれる
「ローランド様は、確かヒマワリが好きだったはずだわ。黄色の髪飾りがいいわ」といいながら髪の毛にさしてもらう
「どうかしら、綺麗に見えるかしら? 」
「来ましたよアリア様」とほかのメイドが伝える
「分かりましたわ。すぐ行きますわローランド様を待たせるわけにはいきませんわ」と廊下を走ろうとしている私に、メイド長が
「レディが走ってはいけません」と言われ小走りで迎え入れる
何を話そうかしら、あれも、これも話したいし、あともう一押しな気がするのよね
私、頑張るわ。絶対ローランド様と付き合いたいもの
「いらっしゃいませ、ローランド様」という言葉に
「王子が先でしょ、あなたの婚約者は王子なのですから」と困った顔をしている
「いいよ、別に気にしないでくれ。ローランドを連れてくるのが大変だったんだよ晩さん会に来るのは苦手みたいでね」とまゆを下げる
とても親しみやすさがある王子の後ろに平民と言われている黒髪のショートヘアーの女の子が王子の背からひょっこりと顔を出す
「初めまして。今夜はご招待いただきありがとうございます。本日はお日柄もよく……」
「そんな、肩ぐるしい言葉はいいわ。いっぱいお話しましょうね」と鼻息意を荒くしながら言う私に
「よかった。ちゃんと君に紹介したかったんだ」と王子はほほ笑む
(お似合いだわ。お似合いすぎて目がくらむわ)
「ねぇ、ローランド様。王子の相手がこんなに素敵ななら安心だわね」というとどう答えていいのかわからない様子で「あぁ、」という
「ローランド様、私たちも安心して付き合えるわよね」というと王子は微笑ましい顔とローランド様は頭が痛いという顔をしている
メイド長も呆れた顔の中に温かい目をしている気がする
今から、押して押して押しまくるのです
愛するローランド様のために