6月某日~閑話休題~
無事に1回目の入院が終わった。
2回目の動注までまたしばらくあるらしい。
りっちゃんは見た目も変わらず、元気そうだ。
ただ、治療開始したため現在仕事は休職している。
私はというと、再びいつもの日常に戻っていた。
3交代の仕事をし、趣味をする。友人と遊ぶということはほとんどない。なぜならみんな結婚して家庭があるから。それに、不定休の私と休みなんて合わない。
唯一合うのは同じ仕事をしている妹のけいくらいだ。
いつもの休み。
暇だな。家から出るのも正直おっくうではあるが、気分転換も大事だ。
『りっちゃん、ランチに行かない?』
『いいよ』
『じゃあ迎えにいくね』
LINEでそんなやり取りをする。この頃から私たちはランチを食べに行くことが多くなった。
せっかくだからけいも誘うか。
りっちゃんを迎えにいき、けいにも連絡を取る。
二つ返事でけいも承諾する。
休日をりっちゃんのために使うようになった。それはただの暇つぶしだったのかもしれない。それでも、付き合ってくれるりっちゃんの優しさに甘えていたのだろう。
もしかしたら心のどこかでこのときにはりっちゃんが長くないことを感じていたのかもしれない。でも、りっちゃんの前では私たちは泣かなかった。
最期になるまで泣くことはできなかった。
だって目の前にいたりっちゃんはとても元気そうにしていたから。