表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

5月某日~治療中~

動注のために一週間程度入院したりっちゃん。点滴と初めての抗がん剤だったにも関わらず、面会にいくといつも快く迎えてくれた。

幸いなことに副作用らしい副作用も出ていなかった。


「りっちゃん、きつくない?大丈夫?」

「大丈夫よ。ご飯も食べれるよ。おいしくないけど」


確かにご飯の量は少なかった。その代わりにお菓子を食べることが多い。

ちょうど5月の暖かい時期だったのでアイスを買ってきて食べた。


食べ物の制限がないのはよかった。吐き気もないから食べられる。

りっちゃんはまだ元気だった。

だから大丈夫なんて、なんの根拠もないのに安心していた。

大丈夫。

りっちゃんだから大丈夫。


そう思ったのはおばちゃん二人が乳がんで、根治していたからかもしれない。

祖母も祖父も伯父もみんながんで亡くなっているのに、年齢のせいだと思いこんでいた。いや、今思えば思い込みたかったのかもしれない。


りっちゃんは笑っている。

元気そうにしている。

私たちはみんなこのときは大丈夫だと信じていた。

りっちゃん本人がどう思っていたのかはわからない。りっちゃんは本当に不安を語ることはなかった。

弱音を吐くこともない。

ただそこで、笑って闘病していたのがはじめの入院の記憶。

病気なんてなったことがないりっちゃんの入院する姿を見慣れることになるとは思わなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ