勇者よ、御主がレベル3になるには10000000000000000の経験値が必要じゃ
この作品は『勇者よ、御主がレベル2になるには100000000の経験値が必要じゃ』の続編になります。
……本気かよ。
「勇者よ、御主がレベル3になるには10000000000000000の経験値が必要じゃ」
王様の言葉に、勇者はその場で泣き崩れてしまいます。
それもそのはず、この勇者は、気の遠くなるほどの時間を掛けて100000000体の魔物を倒し、やっとの事でレベル2になったのですから。
勇者は今一度王様に尋ねます。
「あ、あの……他に強くなる方法は……」
「レベル3になるには10000000000000000の経験値が必要じゃ!! 泣き言いっとらんでさっさとレベル上げにいかんか!!」
王様は勇者を突き放す様に言い放ちます。
現実を知った勇者は重い足取りで城を後にすると、魂が半分抜けた状態で魔物退治を始めました。
「最弱の魔物が1000563たーい……最弱の魔物が1000564たーい……」
最早、何処かの井戸妖怪みたいになってしまった勇者ですが、それでも、勇者は10000000000000000体の魔物を倒し、遂にレベル3になることが出来たのです。
「……うぅ……母ちゃん……おれ……おれ……やったよ……やったんだよ……!」
その瞬間、勇者は感動のあまりその場で泣き崩れてしまいました。
レベル3になった勇者は、そこそこ能力が向上しました。
力は『7』上がり、知恵は『6』、信仰心は『2』上がりました。
更に体力は『9』、素早さは『5』、運の強さは何と『15』も上がりました。
これでやっと、少し強い魔物と戦える様になりましたが、魔王城に乗り込むには流石に無理がありました。
なので勇者は一度城に戻り、王様に次の必要経験値を尋ねます。
「勇者よ、お主はもう十二分に強い! じゃから、さっさと魔王討伐に行ってこんか!!」
その瞬間、勇者は泣き叫びながら城を飛び出し、夕日の沈む海に向かって走り去って行きましたとさ。
…………無理ゲー…………