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僕は異世界に行かない  作者: 眇田行
プロローグ
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プロローグ



◆◆

◆◆◆



 僕が異世界に興味を持ったのはアニメからだった。

 テレビを適当にザッピングしていた時にたまたま観かけたのだけど、僕はアニメをよく観るほうなので蓋然性は高いだろう。

 そして、僕は異世界モノにハマってしまった。その時に観たアニメのタイトルの小説を購読する程にハマってしまったのだ。

 しかし、異世界モノというのは千差万別あれど笑っちゃうほど多いんだ。

 書店のライトノベルコーナーに赴けば異世界と名の付くもので氾濫している。

 不思議の国のアリスとかガリヴァー漂流記、あれも異世界に行ってるから昔からあるジャンルなのかもしれないけど最近は異常だよ。ほんと、異世界なぐらいにさ。

 でも確かに、異世界モノを読んでいるとこんな世界があったら良いなって思うんだ。

 異世界といえば、中世ヨーロッパ、魔法、剣、エルフ、獣人、ってのが頭に浮かぶ。それが異世界なんだって。

 そこで僕にしては難しいことを考えてしまったわけなんだけど、現世界モノと異世界モノの境界線ってなんなんだろう。その境界線をぼかしてみると、なんだって異世界と言えるんじゃないだろうか。

 僕は無知だから宇宙と世界の境目なんてわからないけど、宇宙だって異世界なんじゃないかって思うんだ。

 未だに内紛絶えない国だって、なんの名物もない県境の向こうだって、車が飛び交う近未来だって、思い出したくない過去だって、内向的な主人公が世界を守る為に戦うセカイ系だって、どこにでもある日常を描いた物語だって。

 異世界だ。

 もっと細かいことを言うと、君と僕の瞳に写っているものは果たして同じ世界なのだろうか。

 違うよ。異世界だ。


 あと、ほらよく言うじゃないか。 

 体験したことのない物を見たり感じたりをすると「世界観が変わった」って。

 ようするに世界が変わったんだ、その人の中で。それもある意味異世界転生ではなかろうか。


 異世界……。

 僕の中でもう一つ覚えのある異世界がある。

 言葉にしたくないけど、もっととっておきの異世界がある。

 みんなが必ず行く異世界。早いか遅いかの違い。それだけのどこにでもある異世界が。


 僕は異世界に行こうと思った。だけど行けなかった。

 僕は異世界に行かない。


◆◆◆

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