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Emil  作者: 初雅なる
第一章 物語の運命は狂いだす
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ここから始まる

レリア帝国は、現在世界一の国力と経済力を持つ国である。

観光地としても有名なのだが、人知れず、ひっそりと佇む店がそこにあった。



『イア・ルイン』



その店は、一軒家のように見えて実は「依頼屋」という立派な店である。

従業員はたった四名。男女それぞれ二人ずつ。

内観はどうだ。どこかオシャレなカフェのような、木の香りがふわりと漂う木造建築だ。


二階建てであり、一階が、オフィスルーム、二階がプライベートルームとなっている。


路地裏に建っているので、一日・・・いや一ヶ月の依頼件数はたったの二件である。

果たして店として、成り立っているのか、いささか不安ではあるが、今日、珍しくお客様が一人来ていた。


「ここか...」


見た目19歳程度の一般女性よりも少し大きめの少女がそこにやってきた。

この状態を人々が見れば「よくそんな店見つけれたね」という反応をするだろう。

なにせ、この店には業務的意欲が全くないのである。

「お客さん禁止」

とでも言いたそうな佇まいであった。


しかし、入るしか他にない。他に申し込んでも無駄だからだ。

少女は、なぜか深呼吸をし、その店に入った。


チャリン、という鈴の音と共に、少女は扉を開けてその中へ入っていった。

意外なことに、中はとても綺麗である。

しかし、人が見当たらない。


「すいませーん」


と呼んでも誰も来ない。物音すら聞こえない。

辺りを見回してみると、テーブルの上に、置き手紙のような物が置いてあった。

少女はその紙を手に取った。

その内容は、それはそれは酷いものだった。



"一週間、イア・ルインはお休みです。社員で旅行です。まぁ人なんて来ないと思うだろうけど一応ここに記しておきます。"

オーナー




「えぇぇ.......」


だったらどうして外に貼らなかった。それにこの皮肉った内容。本当にここでいいのだろうか?

少女は、目的をしばし失った気がした。

少し腹がたった少女は、こう一文を加えた。


"あなたは馬鹿ですね"

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