ひと時の休息
「もうちょい右かな?」
「ここですか?」
「あーそこそこ。もうちょっと強めに」
「こ、こうでしょうか?」
「んー、気持ちいいよー。もっと強くお願いー」
「わ、分かりましたわ」
ん?何をしてるのかって?
あ、ナニはしていないよ。
ロザリアに全身のマッサージをしてもらっているんだよ。
全身の魔力が無くなりかけてるせいで、体が思うように動かないんだ。
凄く余裕があるように振舞っているけど、実際は色々とヤバイんです。
体が動かないのもそうだけど、王国が魔物の群れ、いや、軍勢に押しかけられてピンチだし、ちょっと離れた場所では黒竜丸が親子ゲンカの真っ最中だし、乃愛のことも心配だ。
さっき怪我人の介抱とかをしていたけど、そこそこ落ち着いたし、魔力が戻ってみんなに一通り回復魔法をかけ終わったエマさんによれば、俺が一番問題の患者らしい。
そこまで大変な魔法を使った感じはしないんだけどなー。
やっぱり無詠唱は一長一短のようだ。
多少楽観的なのは、疲れているからだろうか。
そんな事を考えていたら眠くなってきた。
魔素切れには睡眠をとるのが一番だけど、この状況で寝て大丈夫かな?
「ロザリアごめん。眠たくなってきた…」
「さようですか。エミリア様が見張りをして下さっていますので、安心してお眠りください」
「ん、ありがと」
ふーっと息を吐いて目をつぶった。
ん?頭を持ち上げられて枕のような柔らかい物に乗せられたぞ?
結構気が効くじゃん。
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「んー。むぅ?」
あ。寝てたのか。
確かロザリアにマッサージしてもらって、それで……
「悪ぃロザリア。ぐっすり寝ちゃって……って何してんの?」
「あら。こういうのはお嫌いですか?」
嫌いもなにも、膝枕じゃん。
やけに柔らかくて気持ちいい枕だと思ったら。
しかも顔近いよ。
笑顔で見つめるんじゃないよ。
まぁ、ありがたいんだけどね。
「あ、うん。お陰でちょっとは楽になった…かな?」
「それは何よりです」
「そっか。って、そんなことより今どうなってるの?」
落ち着いて色々と思い返してみたら、急に焦ってきた。え、ヤバイじゃん。
膝枕してる場合じゃねぇ!
「……心配ですか?」
「そりゃあもちろん、王子として王国も心配だし、乃愛達の行方も分からないし……」
「そうですわよね……」
なんだろう。
なんか引っかかる言い方するなぁ。
「あ、申し訳ございません。今現在の状況なのですけれど…」
「う、うん」
「先程二龍の決着がつきました」
「え、マジで?」
あんな大きなドラゴンが本気で争ってたらどんな事になるんだろうか?
「結論から言うと、サニー様のペットの方の勝ちですわ」
「ペットって…。一応相棒なんだけど…」
「そ、そうだったのですか?それは、その…」
まぁ、気持ちは分からないでも無いけどさ。
「そ、それでエミリア様が先程、様子を見に行かれました」
「そっか。じゃあ俺達も早く行かないとな」
「もうお身体は平気なのですか?」
「うん。本当にロザリアのお陰だよ。ありがとね」
「いえ。お役に立てたのなら光栄ですわ」
今回ばかりは感謝しないとな。
なんだかんだで嫌いじゃないし、普通に美人だ。
こんな美人に膝枕とか、乃愛に見られてたら大変だよな……
「じゃあ行こうか」
「はいっ!お供致しますわ」
そんなわけで俺はロザリアと黒竜丸達の所へと向かった。
だいたい一キロくらい先かな?
ただ、あんなにデカいドラゴン達が見えないんだけど。
ちょっと急いだ方が良さそうだ。
「ロザリア、ワープして行くよ」
「まだ、回復したばかりですのよ?あまり無理はなさらない方が……」
「今は国のピンチなんだよ!取り返しがつかなったら元も子もないって!」
さっき寝たし、大丈夫だって。
「そう……ですか………」
なんだよ。
今日はロザリアらしくないぞ?
「どうしたんだ?言いたい事あるなら言ってみろよ」
「……サーネイル様」
「ん?」
「私と一緒に逃げませんか?」
「は?」
な、何を言っているんだロザリア。
そんな事出来るわけ……
ロザリアの唐突な提案に、俺はただただ困惑するしか無かった。
一応、最後までのだいたいのストーリー構成が出来ました。
だけどお話が全然進みませんね。




