表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/176

前々日 その六

休みでもすること無いし暇なのじゃ。


 「先生?」


 「お、おう……」



 王子が顔を出してから、俺は言われるがままに客間へと通されて一緒にお茶を飲んでいた。


 王様は、エマさんの伝えた必要戦力を揃える為に色々と頑張ってくれていた。

 エマさんもそれに付き添ってくれている。

 王様曰く、「二十年来の借りを返す時なのじゃ」だとか。

 そこら辺も、全部終わったら父上に聞いてみよう。


 「なんていうか……あれだな。お前も覚えてたんだな」


 「はい! 夢かとも思ったんですけど、ドラゴン召喚出来ましたし、ホントかなーって」


 「あれ? そこまで引き継がれたのか」


 「ええ。お陰で簡単に皆を信用させられましたよ」


 「そっか」



 これは思わぬ収穫だったな。

 龍を使役出来るってことは……あ!

 黒竜丸の母親の暴走すら食い止められるのでは?


 というか黒竜丸!


 「おーい、黒竜丸。起きてる?」


 「我はいつでも起きてる。寝ないとチカラを使い果たしてしまうような雑魚龍とは違う」


 「あ、龍王だもんね。ごめん」



 黒竜丸、久しぶりだなぁ。

 覚えてるとかそういうレベルの話じゃないんだけど、また相棒と会えて嬉しいな。


 だけど、寝なくて済むのは俺の魔力吸ってるからだろ?

 その前はずっと封印されてたんだし。

 まぁ、いいんだけどさ。


 「先生、今のは?」


 「えーっと、黒竜丸……じゃなくって、青龍?」


 「それって、最強の龍じゃないですか……」


 「うん。まぁ、俺の相棒なんだけどね」



 そういや、王子は黒竜丸も使役出来るんだろうか?

 だとしたら、名実ともに最強の竜騎士なんだけど。


 「ちょっと使役試してみる? 一筋縄じゃいかないだろうけど」


 「あ、はい。さらに幼くなった今の僕がどこまで通用するのか知りたいです」



 そう言って、詠唱を始める。

 龍の召喚・使役と基本の魔法しか使えないのもどうかと思うが、実戦となるとこんな馬鹿げた戦力もそうそうない。

 だって、王子=ほぼ全ての龍だもん。


 「っ! 先生、駄目みたいです。魔力全部持っていかれちゃいました……」


 「え? そうなのか、黒竜丸」


 「命名の儀を終えて魂契約をした我とご主人の契約を上書き出来るはずない。ただ魔力を喰わせてくれただけ」



 ちょっと待てぃ!

 今、魂契約っつったな?

 それは悪魔のやつじゃないか!

 何勝手に契約しちゃってんの?


 いや、でも命名の儀はしてるのか。

 俺の使い魔みたいに名前を付けられない訳じゃなくてちゃんと名前を付けてあるから、契約という名の主従関係の確立になるのかな。

 じゃあ別に良いか。


 それより、俺もエマさんみたいに働かないと。


 「それじゃあ、俺達も働くか」


 「え? どこに行くんですか?」


 「そりゃあお前、決まってるだろ」


 「あ、剣聖様の所ですか?」


 「あー。いや、それもあるけど……」



 トルフィヤ王国だよ?

 もっと他にいるじゃない。

 頼れる助っ人が。


 「リーちゃんのとこだよ。ほら、行くぞ?」


 「あ、はい。お供します」



 あんな強くていい子は他に居ないね。

 乃愛と黒竜丸の次に信頼してるよ。


 リーちゃん、覚えててくれてるかなぁ。



 そして俺達は、リーちゃんに会うために国を出る……前に。

 エマさんに言っておかないと。


 「エマさん」


 「あ、サニー様。申し訳ございません、もうしばらく時間が掛かりそうです」


 「いや、いいよ。それより、ちょっと出てくるね」


 「お出かけですか。私も御一緒した方が宜しいでしょうか?」


 「エマさんはここをお願い。僕も助っ人を探してくるから」


 「分かりました。気をつけて下さいね。何かありましたら、すぐにでも飛んで行きますから」


 「本当に飛んできそうで怖いよ……」


 「あら、本当ですよ?」



 そうでしたね。

 エマさんは常時索敵しているんでした。

 そりゃあ何かあったらすぐ来るよね。


 「それじゃあ行ってきます」


 「はい。行ってらっしゃいませ」



 ワープ……はこの後いっぱい使うから駄目か。

 仕方ないなぁ。


 「おーい、黒竜丸」


 「ご主人、何か用か?」


 「乗せてってー」


 「了解した」



 すると先程まで指輪だった黒竜丸が、小さめのドラゴンになった。

 パッと見、小型の地竜に見えなくもない。


 「ご主人、行き先は?」


 「えーと、サソリの魔物の所って言えば分かったりする?」


 「簡単簡単。我、最強」



 なんか子供っぽくて可愛い。

 さいきょーって気安く使うところとかそうだよね。

 まぁ、大戦前から生きる長老みたいな存在なんだけど。


 「ほら、王子も乗って」


 「あ、はい。なんかすごいですね。伝説の青龍がペットみたいで……」


 「「ペットじゃなく(でなく)て、相棒!!」だから」


 「あ……はい。ごめんなさい」



 そりゃ黒竜丸さんも怒りますよ。

 ペットとか、クーちゃんでも怒るし。


 まぁ、俺も最初はそんな感じだったんだけど……


 「見つけた。出発する。掴まれ」



 黒竜丸のその合図で俺と王子は角とかに掴まり、黒竜丸は百キロオーバーとかいう馬鹿げた猛スピードで砂漠の中を爆走し始めた。

 乗り心地はそんなでも無かったのだが、頬を切る風が熱風となって突き刺さってきて、とても痛かった。


明日もこんな時間です。


内容が曖昧だから、設定ミスってるかも。

何かあれば、ご指摘お願いしますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ