美月の秘密
「さて、これで全部話したが…他に質問とかあるか?」と柊先生が彼らに問う。
しかし、あの話の後ということもあって宮木も妹尾も黙り込んでいた。
四之宮はというと、一番最初に聴いたこともあって全く表情を変えることも
なく柊先生の話を聞いており、質問があるかと聞かれると二人の様子を見て
数秒後に固く閉ざした口を開いた。
「全部話したと言っていましたが、まだ話してないことがあるでしょ?」
「ん?そうかい?」
「まだ、菊馬について語られていません。重体だった彼女をいったい誰が
どうやって回復させたというんです?現代の医学で治せなかったものを…」
それを聞いた宮木と妹尾も四之宮の言葉を聞いて、「そういえば、確かに」と
疑問を抱き、下を向いていた顔を上げて柊先生の方に向ける。
「…それは今の君達に話しても、受け入れてくれるかどうかの問題だ。
あと、これは一応関係者以外には言えないことになってるから」
「なにそれ。関係者ってなんだよ?僕達、特殊部隊をなめてんの?」
「宮木、落ち着けよ。柊さんは俺達をバカにしてるわけじゃない」
「ここまで話しておきながらまだ隠し事してるなんて、絶対なんかあるし
それにこの人なんか外見ちゃらそうでなんかむかつくんだよ」
「宮木、やめろ」
「先輩!?」
妹尾が止めてもだめだったので、四之宮が宮木に注意する。
「例えそれがどんなことであれ、俺は真実を知りたい」
「でも四之宮君、あいつと親しいんだろ?喋っちゃわないか心配なんだけど」
「それでも、命令も下してないのに貴方達に接触した。それを知られたら
俺達は恐らく降格になる。だから、教えてください」
「先輩…」
「四之宮さん」
真面目すぎだな、この人…と美月は四之宮を見てそう思ったのだった。
それを見た柊先生は、頭をぼりぼり掻きながら「いや~参ったね~」と
困っていた。
「まぁ、いっか。教えても」
「先生!?」
そんなあっさり了承してもいいのか?!と美月は柊先生に心の中で突っ込み
を入れる。
「四之宮君なら、大丈夫だって。心配するな」
「でも…」
「とりあえず、宮木君と妹尾君は美月といったん部屋を出てくれない?」
「はぁ?なんで?僕達にも…「宮木、妹尾」
「はい。行くぞ、宮木」
「ちょっと妹尾。離してよ」
美月も二人に着いて行き、柊先生の部屋を出ていった。
出て行ったことを確認すると柊先生は四之宮にのみに、美月の手術について
話した。
それを聞いた四之宮は、「そんなことが可能なのか?」と先程とは
違ってとても驚いていた。