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追跡されていたなんて聞いてない


 美月を追跡していたら、たまたまひったくりを目撃し対応した二人。

 姿を見せてしまってはもはや言い訳すらもできまい。


 「妹尾、どうするの?」

 「どうするって、あのままほっておくわけにもいかなかったし。しょうがない

 だろう」


 妹尾と宮木は美月から少し離れた距離で会議を行っていた。

 それを見ていた美月は、彼らを見てこの間のことを思い出す。


 またしても、ヤバい展開だ。

 事情聴取をされるかもしれない。と対策をひたすら頭の中で考えていた。

 

 

 「ばれちゃったんだから仕方ない。いっそのこと本人にばらしちゃえば?」

 「バカっ!それだとこの作戦自体台無しじゃないか!?」

 「妹尾、彼女に聞こえちゃうよ?」

 「っ!?しまった」


 時はすでに遅し。美月の耳にしっかりと届いていた。

 二人は美月に注目すると、彼女はびくっとして目をそらす。


 これは完全に妹尾のミスだ。

 「俺のバカ…」

 「あ~あ。仕方ない」と宮木が美月の方へと歩み寄る。

 妹尾は自分の失敗にしばらく立ち直れず、宮木を止める余裕などなかった。


 「単刀直入に聞く。あんた、いったい何者なの?」

 「えっ…」

 宮木の質問に驚く美月。これはまるで容疑者の取り調べを受けているかの

 ようだった。


 「僕達は隊長の命令であんたを家からここまで追跡してた。でも、気づいて

 る気配もなかったし、まったくもってどこから見ても一般人だけど…それだ

 と、うちの隊長は納得いかないんだよ」

 「あの…別に悪いことなんてしてませんけど…」

 「犯罪のこと聞いてるんじゃない。あんた、僕達に何か隠してることあるん

 じゃない?」


 宮木は美月を問い詰める。

 隊長が気になるところには、必ず何かがある。だから彼は、それを信じて

 彼女に白状させるつもりらしい。


 すると、美月のケータイに着信が入る。

 「あっ…すみません」とケータイを取り出して電話に出る。


 「もしもし?」

 「おう、今どこにいるんだ?」

 「先生。聞いて…「貸して!」と宮木がケータイを奪って出る。

 「もしもし?」

 

 「やぁ、はじめまして。四之宮君のチームメイト君だね?悪いけど、美月と

 一緒に家まで来てくれないかな?」

 「あんたふざけてんのか?僕達は…「君達が疑問に思っていることをすべて

 話す、と言ってもかい?」


 「っ!?…わかった」

 「じゃあ、家で待ってるから」と柊先生は電話を切った。


 宮木は美月に電話を返したあと、妹尾を復活させて美月と一緒に柊家へと

 歩いて帰って行った。


 

 帰宅すると、柊先生と四之宮が待っていた。

 「よぉ。おかえり」

 「ただいま」

 

 「ご苦労だったな…妹尾、どうした?」

 「気にしないでいいですよ、先輩」

 

 まだ落ち込んでいるようで、妹尾の回復には時間がかかりそうだった。


 「それで、教えてくれんだよね?いったいあんた達は何者なの?」

 

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