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私の危機回避能力はあてにならない  作者:
治癒能力を持つ少年
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孤児院を訪れたら・・・・

仮に二つの孤児院を仮にAとBと付けて分かりやすいようにする。

妹尾チームは孤児院Aを、宮木チームは孤児院Bへと地図を見て確認して向かって行ったのであった。


まずは孤児院Aに向かう妹尾チーム。

正隊員四之宮チームのメンバーの妹尾の能力は「重力操作」。または「遠隔操作リモートコントロール」とも呼ばれている意識操作系能力者。宮木と同様に重い物を持ち上げたり投げたりすることが出来るが、あまり長く使用することが出来ない。そのため能力者・無能力者での戦闘の際、時と場合によっては能力を使わずに空手技で仕留めたりと工夫しているのだ。


「よし、着いたぞ。ここだな」

「にしてもぼろいな?本当にここなのか?」

「こら、黒澤。誰かに聞かれたらまずいだろ」

「本当のことじゃんか。何をそんなに焦ってんのさ」


妹尾も宮木の面倒を見ているせいか、霜月がいてくれて本当に助かったと思っていた。

霜月は普段、瀬楽の面倒を見ているので慣れているのか面倒見が良い。

綾小路もすかさずに彼のフォローをしようと彼女なりに頑張っている。


「とりあえず、ここにその少年がいるか聞いてみよう。俺が中に入って聞いてくるから、お前達は

ここにいろ」


妹尾はリーダーらしく、三人にそういうと孤児院Aの敷地内へと入って行った。


「すみませーん。どなたかいらっしゃいませんかー?」

玄関の前まで来て大きな声で叫ぶが、物音一切聞こえない。


「…誰もいないのか?」とドアノブに手をかけた時だった。

ガチャン。


「あれ?開いてる…」

いくら孤児院だからといっても、不用心すぎるなと妹尾は思いつつ玄関へと入って行く。

それを見ていた三人は敷地内へと入って妹尾がいる玄関へと向かう。


「すみませーん」

もう一度妹尾は大声で叫んでみるが、やはり誰もいないようだ。


「なぁ、ここ本当に孤児院なのか?中もぼろいし、人っ子一人いねぇしさ」と黒澤がずかずかと中へと

入って行ってしまうのを見て、「こらっ、勝手に入るな!怒られるだろう!?」と霜月が黒澤を止めよう

と腕を掴む。


「離せよ。俺が見に行ってやるから、お前らここで待ってろ」

「待て黒澤っ!」

「って、霜月。お前まで言ってどうする!」

「でも、あいつを一人にしてもしものことがあったら…「うわああああああああああー!????」

「「「っ!?」」」


すると黒澤が突然悲鳴を上げて妹尾達の元へと帰って来たと思いきや、霜月にガシッとしがみ付く。

「どうした、黒澤。何があった?」

「ひっ、人が…人が倒れて」

「なにっ!?」


妹尾は靴も脱がないまま黒澤が飛び出して来た部屋へと向かうと、すぐ側に一人の女性が倒れていた。

「大丈夫ですか?しっかりしてください!」

見た所50代前半ぐらいの女性。妹尾が身体を持ち上げて声かけをするが返事がない。


「…死んでるんですか?」

そこへ後から綾小路達も駆け付け、綾小路が妹尾に尋ねる。

念のために脈を測ったが…どうやら手遅れらしく、妹尾は三人に首を左右に振った。


「そんなっ」

「いったい誰がこんなことを…」


状況からここにいる全員が、彼女は事故で死んだのではないと確信していた。

なぜなら女性の胸には深い刺し傷があり、床には血が大きな水たまりのようになっている。


「とりあえず警察に連絡して、外に…って、お前達何してる!?」

妹尾が三人と一緒に外へ出ようと声をかけようとした時、三人は棚などを物色していたのだった。

それを見た妹尾は驚いて三人に怒鳴ると黒澤が妹尾に向けてこう話す。


「あぁ?見てわかんない?少年の手がかり探してんだよ」

先程は女性の遺体を見て驚いていたのが嘘かのように平然と答える黒澤に妹尾はまたしても怒鳴る。


「ばかっ。素手であちこち触るな!疑われるぞ!」

「…ちぇっ。霜月、手袋召喚して」

「えっ、あぁ…うん」

「って聞けよ!!とにかく全員外に出ろ!集合だ、集合!」

「「「はい(はーい)」」」


いったい何を考えているのだろうかと妹尾は溜め息をついた後、三人と共にいったん孤児院から出て

警察に通報した。そして宮木にも連絡を取り、気を付けろと忠告したのであった。











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