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私の危機回避能力はあてにならない  作者:
黒澤蓮の過去と能力
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クラスには変わった人ばかりで分けわからない

黒澤蓮くろさわれん。保護組、最年少14歳。

 昼間は表の引っ込み思案だが、夜になると乱暴な言葉遣いで話し、すぐ手を

 出す裏の性格へと変わってしまう二重人格者。


 能力はそのまま「二重人格」と呼ばれているが、実際は裏の黒澤が「人間解体」という能力者で、表の黒澤は無能力者なのである。

 

 「では、先生からは以上となります。朝食を食べ終えたらすぐに教室へ行く

 ように」


 星野先生はそういうとすぐに教室から出ていき、その後にクラスの皆が

 どこかへと移動し始めた。


 「美月ちゃん、食堂行こう」

 「あっ、うん」

 「私もご一緒していいかしら?」


 美月と綾小路が話している際に宝正が美月に話しかけてきた。

 「えぇ、もちろん。いいよね?綾ちゃん」

 「うん。大丈夫だよ」

 「じゃあ、一緒に食堂へ行きましょう。…黒澤君、貴方もよ」

 「俺はいかねぇ」


 「食べないと身体が持たないわよ」

 「うるせぇな、ほっといてくれよ。今機嫌が悪いんだ」

 

 美月の危機回避のせいなのか、すねている黒澤はクラス委員長の宝正の

 言うことを全く聞かなかった。


 「仕方ないわね。行きましょうか」

 「「うん」」

 

 黒澤を一人残して、美月達三人は教室を出て食堂へと向かったのであった。

 食堂は本部と訓練棟の二か所にある。美月達が行くのは訓練棟の食堂である。


 訓練棟の食堂へと着いたら、空いてる席を確保して順番に注文しに行った。

 ちなみに訓練生ということで、割引制度があり正隊員にはない。

 


 「菊馬さんは予知能力者なのかしら?」

 「あっ、いえ。私のは危機回避能力ですから、そんなすごいものじゃないで 

 すよ」

 「そうなの?でもすごかったわ。皆、驚いてたわよ」

 「えっ?そうなんですか?私、防御するのに夢中で…」

 

 あんな状況で周りの様子を見ている宝正の方がこの場合、すごいというか

 冷静だと思われる。どうやら宝正は美月に興味を持ったらしく、朝食を取った

 後もクラスまで綾小路と一緒に付いていくと言ってきた。


 「菊馬さんと綾小路さん、初めて会ったにしては仲が良かったけれど」

 「見学しに来たときに初めて会ったの。四之宮さん達と一緒に」

 「四之宮さん?」

 

 「正隊員、四之宮チームの隊長さんだよ」

 「あの四之宮さんと!?」

 綾小路が言うと突然、宝正が大声をあげた。

 美月も綾小路もいったい何が起きたか分からず、宝正をじっと見ることしか

 できなかった。


 「あらっ、ごめんなさい。つい声をあげてしまったわ」

 「いえっ…大丈夫です」

 

 それから宝正と別れ、美月は綾小路と共に教室へと入って行った。

 教室へと入るとすぐに顔見知りの二人が美月達に話しかける。


 「おはよう、綾。菊馬さん」

 「おぉ、菊馬がいる。どうしたんだ?」

 「おい瀬楽。昨日、先生が言ってただろ?」

 どうやら名前のほかに物忘れもあるのか、瀬楽が霜月に怒られている。

 綾小路は見慣れているのか、二人を止めることもせず普通に挨拶をした。

 「おはよう。美月ちゃん、昨日から来てて今日から私達と一緒に授業を

 受けることになったの」

 

 「おお、そうなのか。お互い頑張ろうぜ、菊馬」

 「あぁ…うん。こちらこそ」

 瀬楽がなぜか握手を求めてきたので、それに一瞬動揺するも美月は軽く手を

 握って握手を交わした。


 するとどこからか背後に一人の男子生徒が美月に近づいてきた。

 「そこの可愛いお嬢さん」

 「ん?」


 「初めまして、僕の名前は桐島弥きりしまわたる。またお会いすることが

 できて、僕はとても嬉しいよ」


 桐島にとっては会ったことあるとしても、美月にとっては初対面の人間。

 彼は美月に自己紹介をしてすぐさま両手を包み込んでキラキラした顔で

 彼女を見てきた。見たところ、キザっぽい男子だが綺麗な顔立ちをしており

 見た目だけだと女子にモテそうな感じである。


 「あっ、あの…手を離してください」

 「嫌だ。僕は一生この手を離さなっ…「はいはい。そこまで」

 

 「ごめんね。こいつ女にはいつもこうだから、気にしないでね」

 「あっ…ありがとうございます」

 「私は永田美波ながたみなみよ。よろしくね」

 「菊馬美月です。こちらこそよろしくお願いします」

 

 「ほらっ、いつまで座ってんの?まったくだらしがないわね」

 「永田さん。君は女性なのに暴力を振るいすぎだ。あぁ…痛い。頭が割れる

 ほどに痛い…」

 「じゃあ、大きな病院へ行って手術してもらいなさい。あと、その女たらし

 も治してもらえ」

 「ひどいっ!」

 

 美月は桐島と永田の会話を聞いて、ぼーっとしていた。

 

 …なんなんだ?このクラスは。


 

 

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