表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の危機回避能力はあてにならない  作者:
要恵と吸血鬼能力者
153/362

危機回避能力者熊木の意外な活躍

 「行くよ、瀬楽」

 「おうっ!任せとけっ」

 「何考えてるか知らないけど、あんた達に勝てっこないわっ!」

 「「それはどうかな?」」


 「黒澤、これ使え」

 「おぉ、サンキュー霜月」

 ちょうど武器がなくて困ってたんだよ~と黒澤は霜月から大鎌を受け取る。

 

 速度計スピードメーターでは一度まりもにやられてしまった瀬楽。だがここにいるのは未来から

 来た瀬楽なのでいったいどうなるのかは分からない。


 「なんか知らないけど、さっさと消えなさい!」

 まりもの黒い爪が瀬楽に襲いかかろうとするがさっと交わされてしまい、その隙に美月がまりもの

 背後から足で蹴り飛ばす。

 「ぐっ!?…よくもぉ!!!!!」

 「菊馬っ!」

 

 まりもがターゲットを美月に変えて向かっていると、そこへ黒澤が間に入って来た。

 「蓮君っ!?」

 「ちっ、邪魔しないでよ!」

 「わりぃな、ブス。このまま黙って見てるなんて性に合わないんでねっ!!!」と大鎌を構え

  まりもに攻撃していく黒澤。まりもは攻撃を交わしていくものの、少し刃に触れたらしく、人間

  解体が発動し彼女の身体はバラバラにされてしまう。だがそれは次第に再生し、元の状態に戻ると

  まりもはすぐに黒澤の後ろに回る。


 「っ!?」

 「刃物に触れなければ問題はない…だから」

  ガラ空きな所を狙えば終わりよっ!!!

 「「黒澤!!(蓮君!!)」」

 「皆、伏せて!!」とどこからか女性の声がして、全員は彼女の方に振り向くとそこにいたのは

  走ってくる熊木だった。美月・瀬楽・黒澤は熊木の言う通りにすぐさましゃがみ込むが、まりも

 だけが「はっ?なに?」とただ突っ立っているのみ。すると熊木が鞄から丸い物を取り出してまり

 ものいる場所に向かって何かを投げる。


 「えっ…なに?」

 「避けろ、まりもっ!」

  蛍はその場からまりもに向かって大声で叫ぶ。だが、丸い物はまりもの頭上でドカーン!!!と

  爆発すると、大量の粉が雨のように降り注ぐ。

 「まりもっ!?」

 「…げほっげほっ。なにこれ?」

 熊木が投げた物は爆弾かと思いきや、どうやら何かの粉が入っていたようで爆発した瞬間まりもの

 近くにいた三人も粉まみれになってしまっていた。


 「菊馬、熊木今だっ!吸血鬼を取り押さえろっ」

 「はい!阿相さん」

 「げほっげほっ…はいはい。やればいいんでしょ、やればっ」と美月がまりもを捕まえようとした

  時、彼女の心臓がドクン!となりすぐに後ろを振り返ると、そこには蛍の姿があった。


  蛍はまりもの毒で動けなかったのだが、彼女が捕まることを恐れ美月を襲おうとしていた。

 「悪いが…最後まで…やらせてもらうぞ」

 

 『バカ蛍、何やってんのよ?!』

 『うるさい…それより早く逃げろっ。このままじゃ…捕まるぞ』

 『ふん。蛍に言われなくても…』


 「菊馬美月…ご主人様の実の妹でありながら、どうして…俺達の邪魔をする?」

 「双子だからって、考え方がまったく同じとは限らない。それに陽子は私以外の人類を滅亡させよう

  と考えてる。貴方達二人は彼女に利用されてるだけなんだよっ!」

 「…それでも、俺達は彼女に救われた。彼女がいなければ今頃どうなっていたか分からない。だから

  ご主人様が俺達のことをどう見ようが構わない」と蛍は美月に襲いかかろうとする。


 蛍もまりもと同じ吸血鬼能力者なので無闇に攻撃を仕掛ければ殺される可能性がある。そのため

 美月は蛍から逃げるしかなかった。すると「逃がしはしない」と美月の前へと立ちはだかった蛍が

 彼女に向かって鋭い爪で攻撃を仕掛けてきた。


 シュパッ!!

 「っ!??」

 回避するつもりが美月の右頬に切り傷が出来てしまう。それから蛍の攻撃は続き美月は絶対絶命の

 ピンチに追い込まれるが、それを助けに来た黒澤が蛍に人間解体を仕掛ける。


 「食らえー!!人間解体っ!!!!!」

 「っ!?」

 蛍は美月に気を取られていたせいで黒澤の存在に気がつかなかった。そのため防御するのが遅れて

 蛍は人間解体によりバラバラにされてしまう。だが彼が再生することは…なかった。

 

 「美月、大丈夫か?」

 「うん…ありがとう。それより永友まりもは?」

 「瀬楽と粉の姉ちゃんが取り押さえた。あの姉ちゃん、只者じゃなさそうだぜ」

 

 粉の姉ちゃんというのは、熊木のことしか考えられない。なので美月は黒澤に尋ねなくてもすぐに

 それが熊木のことを示しているのだと把握するが、それよりも熊木が『只者じゃない』と言うのが

 いったいどういうことなのかが気になるところ。


 だが、黒澤が言う只者とは美月が想像するものではなかった。

 「もうっ、早く取ってよ。このねばねばっ!」

 とれな~いっ!!!と手足に付いたねばねばを取ろうとするまりも。だが粘着力ねんちゃくりょく

 が強いせいで身動きが取れない状況だった。


 「すごいな、これ?どこで売ってるんだ?」と瀬楽は熊木に尋ねる。

 「非売品だよ」

 仮に粉爆弾と命名するとして、熊木が持っていた物は人間に害がないとはいえ使い方を間違えれば

 事件に発展する可能性が高い。ちなみに作ったのは…もうお分かりだろう。


 「ふむふむ。まぁとりあえずこれで解決だな」と瀬楽が言うと熊木はそれを否定する。

 「いいや。まだ…終わってないよ。瀬楽」

 「ん?どういうことだ、菊馬?」

 「私達には、まだやるべきことが残されてる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ