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私の危機回避能力はあてにならない  作者:
美月の能力者疑惑
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能力者

 「たった今、警察の方から連絡があった。スケートボードに乗った10代と

 思われる少女が未確認生命体に追われているそうだ。恐らくその少女というのは菊馬美月だと思われる」


 「「なんですって!?」」

 「あらら~かわいそうに」

 四之宮チームは無線により、本部からの連絡を聞いて驚いた。

 宮木は他人事のように言っているが、言葉に出してないだけで本人も二人同様

 に驚いていたのである。


 「柊瑞生にはこちらから連絡しておいた」

 「分かりました。柊瑞生と合流します」

 「よろしく頼む」と本部との無線を切った。


 

 「というわけだ。引き返すぞ」

 「はい(はーい)」


 

 その頃、美月は得体の知れない謎の未確認生命体に猛スピードで追われてい

 た。

 「ぐわあああああああああ!!!!!!」

 「もう、ついて来るな!!」

 


 白と黒のシマシマでパンダのようにも見えるが、パンダがあのように走るか?

 それに熊にも見えてくるし…いったいあれはなんだんだ?!


 美月は頭がパニックになっていた。

 とにかく逃げることしか頭になかったのだ。緊急モードを思い出す暇も

 なく…。


 

 四之宮チームは柊家へ向かい、柊先生と合流した。

 「話は聞いてるよ。今ちょうど美月の居場所を確認しているところだ」

 「それで今彼女はどこに?」

 「ここだ。細い路地通ってるみたいだが、見事に追い掛け回されてるみたい

 だな」

 「っていうか、飛べるんでしょ?なんで使わないの?」

 「バカ。追われてるのにそんな余裕なんかあるわけないだろ?」

 「そういうものなの?」

 「とにかく、一刻も早く彼女を救出しないと…力を貸してください」

 「OK。任せておけ」


 美月はまだ未確認生命体に追われていた。

 「もう、しつこいなぁ…」


 「美月、聞こえるか?」とそこへ柊先生からの無線が入った。

 「先生!助けてください。今私…「知ってるよ。今から俺の指示通りに動い

 てくれ。それで四之宮君達に退治してもらうから」

 「えっ?もしかしてそこにいるんですか!?」

 「あぁ。だから、もう少し頑張ってくれ」


 「…わかりました」


 美月の承諾を合図に四之宮チームは車でターゲットを仕留めるゴール地点へ

 と猛スピードで向かったのであった。


 「美月、まだ追ってきてるか?」

 「はい。っていうかなんなんですか、あれ?パンダでも熊でもないあの不気味

 な動物は!?新種の生き物か何かですか?」

 「わからん。今の状況ではそいつが何なのかはわからない。とにかく逃げ切る

 ことだけを考えろ。四之宮君達が、ゴール地点に今向かってるからお前はそこ

 までそいつを誘導するんだ」


 「はい。先生!」

 

 

 細い道から、広い道へと出て歩道ではなく車道を通って走行する。

 そこは住宅地であるが現在、住民達は避難しており人っ子一人見あたらなか

 った。

 

 「もうすぐしたら、T字路があるだろ?そこを左に曲がれ」

 「はい!」

 

 それから先生の指示に従って、細い道から広い道へと走行していき

 約30分。


 「よし、これでラストだ。次の角を左に曲がれ。そして全速力を出すんだ」

 「えっ、これでも「いいから出せ!」

 柊先生にちょっとムカッとしたがそれでも美月はその指示に従うことにした。


 「速度、全速力!」

 「音声確認。速度を120キロにアップします」

 「ひゃっ、ひゃくにじゅっきろ!?」

 

 ブウォーンとエンジン音が大きくなり、曲がり角の所に入ってすぐさま

 ぐいっと身体を傾けなんとか曲がりきることが出来たその瞬間だった。


 「うわっ!???」

 突然お腹あたりに何かが縛られ、勢いよく引っ張られた。

 スケートボードは美月が何もしていないにも関わらず「安全のため、緊急停止

 します」と勝手に走行をやめてしまうが、美月は全く気付いてなかった。


 そして美月を追いかけた未確認生物は広い道路にでた瞬間、美月を見失い

 立ち止まっていると、すぐさま車が勢いよくぶつかってきて下敷きになって

 しまう。


 あわてて起き上がろうとするものの、それは一人の男の能力によって阻止され

 事件は無事に解決したのであった。


 その一部始終を美月は宮木と共に見ていた。

 宮木が柊先生の腕時計ワイヤーを使って、美月を捕まえ救出したのである。

 

 「いっ、今のあれなんですか!?」

 「妹尾がいらない車をもらってきてあの熊に向かって飛ばしたんだよ」

 「そんなっ、車って人の力で持ち上がるわけ…「それがあいつの能力なん

 だから仕方ないでしょ?それ本人の前で言うなよ?結構気にしてるみたいだ

 から」と宮木が美月に忠告する。


 「じゃあ…宮木さんもそうなんですか?」

 「そうだよ。っていうか特殊部隊に入ってる人ってそんな人達ばっかだし。

 一般人なんて一人もいないよ?」

 「そっ…そうですか」

  

 すると、四之宮から無線で呼び出されて宮木は四之宮の方へと向かっていく。

 それに続いて美月もあとをついていった。


 「宮木、早速だがこいつを本部まで運んでくれ」

 「えっ!?なんでですか?そんなの妹尾に頼めば済む話じゃないですか?」

 「すまん。さっきのでもう使えないんだ。頼むよ、宮木」

 「もう!帰ったら何かおごってもらうからね!」と宮木が未確認生物をよっこ

 らしょっと、軽々と持ち上げたのだ。


 「えっ…」

 自分の身長よりも高い生き物を軽々と持ち上げる彼に美月は驚いていた。

 外見によらずの大食いの超力持ち。もはやこれは超人と言ってもおかしくは

 ない。

 

 「菊馬、とりあえず本部に寄ってから送るから一緒に来てくれ」

 「あっ…はい」

 

 四之宮に言われて、美月は彼らと共に特殊部隊本部へと車で向かって行った

 のであった。ちなみに未確認生物は後ろの席へと乗せて…。


 

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