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黄昏のラーヴォルン  作者: レトリックスター
第2章 晩夏のラーヴォルン
21/254

17.日花里ちゃんの計画

<<ミディア>>

「琴音!?」

 思わず変な声で呼んじゃった。

「ヤッホー、ミディアちゃん、ラーファちゃん、来ちゃったよ。」

 なんかいつもより少しテンションが高い。

「えっ、琴音!?

 ど、どうして、こんな時間にここに!?」

 イデアハントの向こうから、ラーファの驚いた声が聞こえてくる。

 ラーファが驚くのも無理ないよ。

 私だって驚いている。

「日花里ちゃんに言われたとおりに試してみたけど、大成功だね。」

「どういうこと?」

「寝る時間を遅くしたら、こっちに来る時間も遅くなるってこと。

 これで、明日のコンサートもバッチリだね。」

 そういうことかあ。

 つまり、明日の夜に来れるかどうかを試したってことだね。

「ラーファ、明日、琴音も一緒にコンサートに行けるよ。」

「よかったね琴音。」

 ラーファも喜んでくれた。

 明日は素晴らしいコンサートになりそうだ。


 ラーファとのイデアハントを切った後、しばらく琴音とお話しした。

 夜は何をしてるのって聞かれて、魔法理論の勉強って答えたら、すごい驚かれた。

「そういう琴音は、夜何やってるの?」

「私はテレビ見たり、ゲームやったり、漫画を読んだり、ネットをやったり、まあ色々とやってるかな。」

 琴音の話はよくわからないけど、二ホンというところは色々と娯楽が多いようです。

 まあ、私もイデアフィールズをたまに見るけど、あまり面白いと思ったことないなあ。

「こっちでは、どんな番組やってるの?」

 だから、琴音にこう聞かれても、あまりよくわからない。

「えっと、トーク番組が多いかな。

 あとはスポーツとか魔法競技とかえらい政治家とか学者の討論会とか。」

「魔法競技ってどんなの?」

「・・・・・・ゴメンね、私もよく知らないの。」

 本当に私は何も知らない。

 琴音に何かを聞かれるたびに、そう思ってしまう。

 ずっとラーヴォルンに住んでいるはずなのに、私は何も知らない。

「わ、わからなかったら別にいいよ、ちょっと興味があっただけだから・・・」

 なんか、琴音にも気を使わせているよ。

「ゴメンね、琴音。」

「いいって、そんなことより、そろそろ時間みたい。」

 気がつくと、琴音の体が輝き始めている。

「今回は試しに来ただけだから、もう帰るね。」

「ウン、じゃあまた明日ね。」

 琴音はそう言うと、光の中へと消えて行った。


「うー疲れた。ただいま。」

 とそこにラーファがやってきた。

 ようやく家に帰ってきたみたい。

「ミディア、まだ起きてる?」

 なんかラーファのテンションがいつもより高い。

「起きてるよ。」

 私が返事すると、ラーファが部屋に入ってきた。

「ミディア、ただいま。」

 そして、部屋に入ってくるなり、私にギュッと抱きついてきた。

「な、何、どうしたのラーファ!?」

「なんか、ずーっとミディアと話してなかった気がしてね。

 あーやっぱり、ミディアをギュッとすると落ち着くわあ。」

「ちょ、ちょっと、私で落ち着かないでよ。」

 色々聞きたいことあったけど、まあいいかな。

「ラーファ、悪いけど私、これからお風呂に入りに行きたいんだけど。」

「まだお風呂に入ってなかったんだ。

 じゃあ、久しぶりに一緒に入ろうよ。

 私、すぐに準備してくるから。」

「いいけど・・・でも、こないだみたいなことはしないでよね。」

「わ、わかってるよ。」

 ラーファはすごい勢いで部屋を出て、自分の部屋に戻っていきました。

 本当に大丈夫かなあ?

 ラーファとお風呂に入るのは久しぶりだなあ。

 最近は私がずっと避けてたからね。

 だって、いつもラーファは私の体を洗おうとするからね。

 あと、私が成長してるかなって、やたらと私の体をジロジロ見てくるし。

 私はもう16歳だよ。

 ラーファと年一つしか違わないのに、やたら子ども扱いするから、なんか一緒に入るの嫌なんだよね。

 でも、今日ぐらいはいいかな。

 だって、ラーファ、すごい喜んでるし。

 それに、コンサートのこともあるからね。

「ミディア、早くお風呂に行こう。」

 なんか今日はラーファの方が子供みたい。

「すぐに行くから待っててよ。」

 部屋の明かりを消して、ラーファと一緒にお風呂へと向かった。


<<琴音>>

「琴音、起きなさい、もうお昼よ。」

 お母さんに起こされた。

 まあ、私が起こしてってお母さんに頼んだんだけどね。

「んーもうそんな時間?」

 時計を見たら、11時を過ぎていました。

「お昼ご飯作ってあるから、さっさと食べなさい。」

「はーい。」

 そういや、朝食とってないから、すごいお腹すいた。

 服着替えて、さっさとお昼食べよう。

 そう思って、かけてある服に手を伸ばした時に、いいことを思いついた。

「そうだ、寝た時の服でラーヴォルンに行けるんだった。

 だったら、今日はコンサートだし、おしゃれして行こうかな。」

 例え、ミディアちゃんとラーファちゃんにしか見えないとしても、気分的におしゃれして行きたいな。

「いっそのこと、新しい服を買いに行こうかな。」

 ちょうど暇だし、思い切って奮発しちゃおっかなあ。


<<日花里>>

 やっと部活が終わった。

 期末テスト明けということもあって、もう少し楽な練習になるかと思ってたけど、大会が近いのをすっかり忘れてた。

 だから、テスト明けの練習はむしろハードになった。

 といっても、初心者の私は大会に出ることはないし、今はまだほとんど玉拾いばかりだからね。

 だから、私はあまり変わらなかったけど、でもテスト明けの久しぶりの部活は堪えた。


 最近、私がこの部活にいていいのだろうかと思うことがある。

 恐らく、私は学年一運動神経悪いと思う

 最近、私の運動神経の悪さに、先輩たちが苛立ちを見せることが多くなった気がする。

 これでも私は一生懸命頑張っているつもりだ。

 でも、私は足は遅いし、ボールへの反応も悪い。

 本当に、このまま私はテニス部を続けていいのだろうか?

「はあ、早く夕飯食べて、琴音の家に行くか。」

 こういう時は、琴音と話すに限る。

 今の私にとって、琴音は精神安定剤のような存在だ。

 ついこないだまで、琴音は毎日つまらなそうにしていたので、疲れている時は、あまり琴音と話したいと思わなかった。

 でも、最近の琴音は明るくなった。

 それというのも、ラーヴォルンという世界に行くことができるようになったからだろう。

 琴音が楽しそうに話すラーヴォルンの話を聞くと、私の気分も明るくなってくる。

 最近は、琴音の話を聞くのが楽しみになった。

 でも、だんだんそれだけで我慢できなくなってきた。

 琴音が楽しそうに話すラーヴォルンという街に、私も行ってみたい。

 今日は練習中も、ラーヴォルンに行くための方法を考えたけど、何も思いつかなかった。

 でも、琴音から話を聞けば、何かいい案が思いつくかもしれない。


「でも、琴音が寝る前に、私が先に眠ってしまいそうだ。」

 今日はそれくらい疲れた。

 多分、今すぐにでも眠ることができると思う。

 でも、ダメだ。

 琴音と一緒にラーヴォルンに行くんだから、琴音と同じ時間に眠らないと。

 でも、夜に行くってことは、それだけ遅くに寝るってことだよね。

 大丈夫かな?


<<琴音>>

 ピンポーン

 チャイムがなった。

 多分、日花里ちゃんだ。

「あら、日花里ちゃん、琴音から話は聞いてるよ。いらっしゃい。」

「今日はお世話になります。おじゃまします。」

 どうやら、お母さんと話しているみたいだ。

 時計を見ると、もう8時だった。

 中学の時、日花里ちゃんがお泊りに来る時は、大体いつもこの時間だった。

 でも、高校ではテニス部に入ったから、もう少し遅くなるかと思ってたんだけどね。

 あまり変わらなかったね。

 しばらくすると、階段を上がってくる音と、私の部屋をノックする音が聞こえてきた。

「琴音、起きてる?」

「ウン、まだ起きてるよ。」

 私がそう返事すると、日花里ちゃんが部屋の中に入ってくる。

「いらっしゃい。」

 笑顔で日花里ちゃんを歓迎したつもりなんだけど、日花里ちゃんは私を見てすごい驚いていた。

「ど、どうしたの、その恰好?」

 日花里ちゃんはどうやら私の格好を見て、驚いていたようだった。

 まあ、いつもは部屋着かパジャマだからね。

 それに、今日買ったばかりの服だから、見慣れていないというのもあるかもしれない。

「せっかく、ラーヴォルンにコンサート見に行くんだから、おしゃれしないとね。」

 今の私は、ノースリーブのシャツに青色のショートパンツという完全に外出用の姿だからね。

「私の中でラーヴォルンは白と青のイメージなんだよね。

 それに向こうも今は夏だしね。

 だから、白と青で合わせてみました。

 本当はスカートがよかったんだけど、私、向こうだと空中に浮いてるから、ショートパンツの方がいいかなと思ってね。」

「どういうイメージか知らないけど、まさか、その恰好で寝るつもりなの!?」

「ウン、そうだよ。

 どうも、眠った時の恰好で、ラーヴォルンに行けるみたいなんだよね。」

「へえ、それはすごい。」

 日花里ちゃんはそう言うと、何かを考え始めた。

「日花里ちゃん?」

「あっ、ちょっと考え事していただけ。

 まあ、そっちはとりあえず置いておくか。」

 日花里ちゃんはそう言うと、持ってきたカバンからノートを取り出した。

「で、琴音、どうだった?」

「日花里ちゃんの言う通りだった。

 夜のラーヴォルンに行くことができたよ。」

「よく、すぐに眠れたね。」

「私の特技は、すぐに寝ることができることだよ。」

「そ、そうなの。じゃあ、8時に眠ったってことでいいわね。」

「ウン。」

「で、向こうは何時ぐらいだった?」

「ウーン、時計を見たわけじゃないから、正確な時間はわからないけど、夜と言ってもミディアちゃんは起きてたから8時とか9時とかじゃないかな?」

「なるほど。」

 日花里ちゃんはそう言うと、持ってきたノートを広げた。

 何やら色々書き込んでいた。

 今日の日花里ちゃんは、なんか変だなあ。

「琴音って、普段何時ぐらいに寝るの?」

「大体、11時から0時ぐらいに寝て、7時ぐらいに起きるかな。」

「結構遅くまで起きてるのね。」

「日花里ちゃんはいつも何時ぐらいに寝ているの?」

「ウーン、大体10時くらいかな。」

「嘘、すごい早いね。」

「そう?

 まあこの際、私の寝る時間なんてどうでもいいのよ。

 で、琴音、ラーヴォルンはいつも何時ぐらいに着くの?」

 何だろう?

 今日の日花里ちゃんは、やたらとラーヴォルンの話に食らいついてくる。

「私が行く頃には、学校が終わって昼食も食べ終わってるから、大体昼の1時から2時ぐらいじゃないかな?」

「帰ってくるのは?」

「大体、向こうでちょうど日が暮れるころかな。今は夏だから、多分夕方の6時か7時くらいだと思う。」

 私がそう言うと、日花里ちゃんはノートになにやら表を作り始めた。

「てことは、こんな感じになるね。」


日本の時間   ラーヴォルンの時間

23時~24時  13時~14時

6時~7時    18時~19時

8時        20時~21時


「時間が大雑把だから、正確なところはわからないけど、ラーヴォルンとの時差はおおよそ12時間ってところかな。

 で、コンサートって夜にやるのよね?」

「ウン。」

「じゃあ、大体22時ぐらいまでいられればいいかな。

 時差を12時間と考えれば、朝の10時に起きるようにすればいい。」

 なんか日花里ちゃん、すごい一生懸命考えてくれてる。

 いつもは、私の話をほとんど聞き流していたあの日花里ちゃんが・・・

 ラーヴォルンに関心を持ってくれて、私は嬉しいよ。

「琴音の睡眠時間が、大体8時間と考えると、夜の2時くらいに眠れば多分、夜のコンサートを見ることができる。」

「すごいよ、日花里ちゃん。」

「だから、夜の2時まで起きてないといけない。

 それに、朝の10時まで誰にも起こされないようにしないといけない。」

「じゃあ、お母さんに言っておかないと。」

 私は慌てて、部屋を出て、お母さんの部屋へと向かった。

 明日もまた朝遅くまで寝てるので、起こさないように頼んでおかないとね。


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