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第三話お金稼ぎ

教会に行くとエマさんが薬草を神父さんに渡しにいった。


「アンタ暇なら治癒魔法の確認して来なさいよ」

「いいんですか?」

「ええ、資質を持った人を育てるのも神からのお告げですから」

その声に振り向くと群青色の髪をした落ち着きのある少女がいた。


「申し遅れました、私の名前はソフィア・アルベルトです。以後お見知りおきを、それで治癒魔法の確認をしますか?」

「はい、御願いします」

俺はソフィアさんに着いていった。


「…やっぱりお淑やかな女の子の方が男って好きなのかしら」

「カンナ、何小声で話してるの?」

「そ、それよりもアイツが治癒魔法の確認をするらしいから待つわよ」

「ああ、カンナちゃんがある意味恐ろしい記録をつくりだしたアレね」

「お願いだからそろそろ忘れて!」


「可もなく不可もなくね」

「すいません」

「いいえ、重要なのは日々の積み重ねよ」


「そういえばお願いがあります」

「何ですか?」

「この教会で働くことは可能ですかね?」

「治癒魔法の他に薬品の運搬、その他雑用もあるけどそれでならいいわ。近頃魔物の動きが活発なの」

これは冒険者の方が得をするだろうか?

「冒険者の仕事と掛け持ちをしても大丈夫ですか?」

「ええ、いいですよ」


教会に三日、冒険者ギルドに四日間のスケジュールで行うことになったので教会をでた。


そうしてカンナさん、エマさんと歩いているとカンナさんが思い出したように言い出す。


「アンタ宿屋はどうすんのよ」

三日の時は教会のベンチにすれば良いが、四日の方がどうすればいいかと思っていると


「私の家に泊まったら?」

「な!」

エマさんが言うのに対してカンナさんが慌て出す。


「年頃の女と男が理由も無く一つ屋根のしたなんて許されることではないしそもそも」

「恩は返しておいた方がいいし」

「それなら通行料を払ったからいいのよ」

恩か…そうするとリリーちゃんの顔が思い浮かんだ。


「いや、寝床はあるのでいいですよ」

そう答えた後少し話をして俺は教会に戻った。



三日後――

ペインさんは特に問題も無く仕事をしている。

それどころか皆が嫌がる仕事を進んでやってくれるので私達の評価も高くなっていました。


しかし、一人の老人が「彼をどうにかしてくれ」と頼んで来た。


治癒魔法を失敗したのでしょうか。そうして彼の元に行くと

「治療は完璧なんじゃがその後に自分を殴れと言ってくるのじゃよ」

「さあ、カモン!」

「…何をやっているのですか?」

「これには深い訳があるのです」


「私の故郷にはイエス・キリストという人が昔いました」

「彼はたくさんの人々を救いました」

「その人がつくりだした宗教にある教えにこんなものがあるのです」


「『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』と」

「確かに…少し考えさせられる教えですね」

よしいける。そう思った瞬間に都合悪く梟のストラップが喚き立てる。


「何キリストさんをドMにして広めようとしているんですか!」

「言っている言葉に間違いはありません」

「言っている言葉と意味が合っていても言っている人間と意図が間違ってますよ!クリスマスに殺されたいんですか貴方は!?」

「殺されるかのスリルも味わい深いですね」

「もう駄目だこの人…」


そんなこんなで冒険者ギルドに向かう日になった。

そこでカンナさん達と会ったので話しかけると

「装備を身繕いに行きましょう」と言われた。



三日分の給料が有れば少しは装備も良くなるでしょ。

そう思っていた私は甘かった。

「何で布の服を選んでるのよ!」

「これが一番痛みを感じ…安かったのでこれにしました」

「今本音が漏れた…」

うわあ、という感じにエマさんが引きながら言う。


そうして装備を整えつつ道具屋を見ていく。その中に素晴らしい物が有ったので尋ねる。

「これはなぜ安いんだ?」

「使い勝手が悪いんだそうでございます」


だったらたくさん買わせてもらおう。


そうして俺達は依頼を受け、森に入った。


今回必要になるのは脚気に効くコトッカというキノコをとる事になった、のだが…


「全然見つからない」


簡単なクエストの筈なのに見つからないのだ。

「そもそも治癒魔法で治ったりしないのかな」

「治らない病気もあるんだよ」

そのぼやきにエマさん、じゃなかったエマが話す。


カンナから最初に言われた事、それは少なくともクエスト等の時にはさん付け等はやめた方がいい、ということだった。


「私達は軍隊じゃなくて冒険者よ、勿論野蛮何て言われるのはご免だけどそんな余裕なんて戦闘には無いものだと心得なさい」


「やっぱりないわね、少し奥に行きましょうか」


奥に行くと魔物がいた。ゴブリンが三体、それをカンナが落ち着いて切り刻む。


「さすがですね」


探し始めて半日が経過した。


「もっと深くに行かなければいけないようね」


木々が鬱蒼と更になり始める、その先にはゴブリンの巣が有った。


「不味いわね戻るわよ」

そして戻ろうと振り返った時、僕達の目の前にゴブリン達がいた。

「ギャァァァァ」

そいつらが奇天烈な叫び声を上げる。


「不味い、囲まれた」

前にはゴブリン後ろには巣がある。


カンナは少なくとも二人だけは逃がす事を判断した。

「私が血路を開く先に行ってなさい」

「カンナちゃん!」

エマが私に対して叫ぶ。


巣からゴブリン達が順調に溢れだし始めていた。

「アンタ達は戦闘が出来ないんだからこれが最善よ」

私は態と冷たくいい放つ。でも一人で死ぬのは怖い。

その事を悟られないように私は顔を下げた。


「戦えれば…いいのか?」

ペインが私を真っ直ぐ見ていた。

「なら巣から出てくる奴は任せろ」

「冗談言わないで武器何て持って無いじゃない」

「これがある」


そうやって彼が取り出したのは爆弾岩と呼ばれる道具だった。


それは欠陥品、爆発の威力も小さいし何より形が悪くて狙った方向に投げられないのだ。

やっぱり無理よね、私は諦めて小さく笑った。


「ウオォォ」

彼は挑発(ウォークライ)を使いながら爆弾岩を


持って突撃した。

「何やってんのよ!」

爆弾岩は爆発する。


特攻ってやっぱり止めれば――


「この痛み!気持ちいいぃぃ!!」

「喜んでる!?」


それよりも威力が低いとはいえ何で生きてるのよ。



計三回の特攻により何とかゴブリン達を撤退させた。


「今後あんな無茶はしないように」

カンナは俺を殴ってそう言う…もっと殴ってという前にエマが叫んだ。


「コトッカ有ったよ!」

エマが指差す先には崖があった。


「…せっかくだしその爆弾岩使いなさい」

「よし、わかった」


そう言って走り出す俺をカンナは

「突撃じゃない!」といって首根っこを掴んだのだった。


そうやって波乱のあった(というよりは起こした)

冒険者一日目は成功し終わった。

ご意見、感想よろしく御願いします。

それにしても私明日殺されるんですかね?

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